付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「銀河のさすらいびと」 キース・ローマー

2019-11-03 | 宇宙・スペースオペラ
 吹雪の中、遭難していたアメリカ人青年ビリイ・デンジャーは、狩猟の旅をしていた異星の貴族の船に助けられ、その奴隷として仕えることになった。
 しかし、その宇宙人の貴族は未開の惑星で怪獣に襲われて死亡。美しいレア姫とビリイだけが生き残るのだが、救援のメッセージに応えて現れた宇宙船は、ビリイを光線銃で撃ち倒すとレア姫をさらって飛び去ってしまう……。

 掠われたお姫さまを探して往復8万光年の宇宙冒険。テンポの良さが売り物のキース・ローマーなので、文庫1冊で八面六臂の大冒険です。今から見れば、お姫さまと主人公の間にもうちょっと何かなかったの?とか、巨大猫のユリーカはもっと活躍させても良かったよねとかあるけれど、ともかく話が早いのです。
 今回はラノベ風に装丁を変えた復刻版ではない古い方。巻末は訳者の伊藤典夫による解説で、本作やキース・ローマーの紹介というより、粗製濫造のスペースオペラがどのように淘汰され、発展して現代SFになったか。その一方で、昔ながらの冒険活劇としてのスペースオペラは生き残ってはいるものの、楽天的な昔ながらの活劇は恥ずかしいのか、パロディ的にひねったものが目立つねえと「このあいだ暇つぶしに読んだ」作品が典型的な例として紹介されています。ジョージ・H・スミスの長編『カー・カバラ』(1969)。

「超空間の抜け穴のむこうに、地球そっくりの惑星がある。そこには、遠いむかしアーサー王が作ったといわれる国があり、邪悪な敵に滅ぼされようとしている。ところが、火器の発明されていないこの世界に、20世紀初頭の地球人が、ガトリング砲をたずさえてやってきたことから……」

 あれ?

【銀河のさすらいびと】【キース・ローマー】【】【ハヤカワ文庫SF】
コメント
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