付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「水路の夢[ウォーターウェイ]」 早見裕司

2021-07-11 | ホラー・伝奇・妖怪小説
「これだけ古い建物になると、それ自体が魂を持ち始めるもんだよ。しかもここは図書館だ。いってみれば、本の墓場みたいなもんだからな。何が起きたっておかしくないさ」
 司書教諭、森本一彦は映画研究会が図書館の時計塔で撮影したいという要望に反対し、陣内を煙に巻く。

 最近、季里の力がなくなったような気がする。それで普通の少女になれたかというと違うみたいだ。どこからともなく水の流れる音が耳に届くようになり、彼女はまぼろしの『水』に呼ばれるように東京を彷徨うようになる……。

 タイトルままの物語。
 街があって、人の営みがあり、それなのにあり得ないモノが存在し、存在しないはずの場所があり、誰もが見ているはずなのに誰も見なかった水の流れがあった……という都市幻想譚と1人の少女の物語。
 川原由美子のキャラ紹介もあいかわらず良い雰囲気です。学園モノという感じであふれてます。巻末の著者紹介も含めて。

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コメント
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