
大事故に遭ったレーサー田村俊夫は、再起に必要な大金と引き換えに、国際秘密機関《ゾンビー・ハンター》に身売りしたが、その訓練は実戦さながらの地獄だった……。
最初ハヤカワで文庫化されて、すぐにごちゃごちゃして角川文庫で続いて、最終的にはハヤカワ文庫JAで合本版になった『死霊狩り』。ゾンビではなくゾンビーです。
呪術的なファンタジーの敵ではなく、仲間内にすら潜伏する寄生体が敵なので侵略SFの範疇ですが、気がつくと信頼していた仲間が敵になっていた、しかも殺しても殺しても斃れない……というイヤな話。1冊目の終わり方が気に入らなくて2巻以降は買ってないのです。いかにもホラー的な結末ではありますね。
ホラーでオカルトでアクションなわけですが、こういうすっきりしない話は70年代特有の空気なんじゃないかと思ってます。
【死霊狩り】【ゾンビー・ハンター】【平井和正】【生頼範義】【ハヤカワ文庫JA】