付け焼き刃の覚え書き

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「死なないセレンの昼と夜」 早見慎司

2021-12-08 | 破滅SF・侵略・新世界
「人間面をするのなら、人間の生き方をしなさい」
 さもなくばヒトデナシだと、化け物と呼ばれるヴァンパイア。

 気がつけば大洋から水が消えていた。飲料水から原発の冷却水まで水が豊富にあることが前提の文明が崩壊するのに、さほどの時間は必要なかった。
 人類が黄昏の季節となり、わずかに生き残った人々が細々と文明を維持している西暦2500何年かのこと。
 ほぼ無人の荒野を走るサイドカーがあった。それはオールドファッションなコーヒー屋台を引っ張る吸血鬼(ノスフェラトゥ)の少女、セレン・メソニュクティウム・カエルレウス・インモルターリス・ソリトゥス・ウェーナートルだった……。

 ヒトの文明が最後の残り香を残すのみとなった世界を旅する、不死の少女による出会いと別れの旅行記。いわゆる終末世界の旅行ものと言えるジャンルかな。人間の優しさと醜さ、強さと弱さが語られます。
 読んで思ったのは「木枯らし紋次郎と親和性が高いな」。自分には関係ないことよと部外者、第三者の立場をとり続けようとしながら、ついつい余計な口を挟み、手を出してしまうあたり。

【死なないセレンの昼と夜~世界の終わり、旅する吸血鬼~】【早見慎司】【尾崎ドミノ】【電撃文庫】【ご機嫌でお気楽な、ヒトの終わりの物語】【デンスケ】【コーヒー屋台】
コメント
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