付け焼き刃の覚え書き

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「前近代の医家たちとその学び」 武田科学振興財団

2022-04-16 | エッセー・人文・科学
 鈍器サイズの2冊組の1冊目。曲直瀬流の勃興による近代医学の始まりから古方派を経て、漢蘭折衷派のシーボルトの影響あたりまで、一次資料を中心にまとめて考察を加えた論文集。肖像画1つから専門家が読み取れる情報の多さとか、素直にスゴいなと思いました。
 松永久秀の求めに応じて曲直瀬道三が翻訳脚註を加えたという房中術の手引きとか、物語では何かというと秘伝書みたいに扱われるし、当時のレベルからしたらそうかも知れないけれど、今となってはたいした中身じゃない気がします。少女痛の処置方とかあるのは独特だけれど、「をんなあふのきにふさしめ、そのまたをひらかしめ、なんしそのもゝのあひたにより、はらのうえにかゝりまし」くらいの話ですよ。
 あと、門人録とかしっかり掲載してあるのも特色。誰が誰の門人で、どこ出身でいつ入門したとかばっちり記録に残っているの。追っていくのも楽しそうだけれど、それは泥沼……。

【前近代の医家たちとその学び~日本近世医学史論考Ⅰ~】【町泉寿郎】【武田科学振興財団 杏雨書屋】【房中術】【門人録】【黄素妙論】【素女妙論】
コメント
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