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ところでその頃、地球は銀河文明と接触しており、徐々に交流が始まりつつあったが問題は山積み。いろいろ火種を抱えているところに、友好のために贈られた貴石が行方不明になるという事件が起きる……。
高い建物の屋根に上るのが大好きという永遠の大学生を主人公にしたドタバタアクションSF。
ゼラズニイといえば、ギリシア神話やインド神話からクトゥルー神話まで神話を素材にした叙情的でSFとファンタジーの境界線のような話で評価が高いのだけれど、自分はこれと『燃えつきた橋』が好きかな。
ドタバタなんだけれど時系列が入り乱れる上に、現実か妄想か分からないイマジナリーフレンドやら人語をしゃべるウォンバットとかカンガルーとか出てくるので読みづらいと言えば読みづらい。正直、コミカライズしてくれたら、そっちを読む。拍子もおしゃれな80年代SFテイストだけれど、内容的にはライトノベル的なマンガ絵の新訳で復刊してくれると嬉しい。
【砂のなかの扉】【ロジャー・ゼラズニイ】【ハヤカワ文庫SF】【モラトリアム】