「他人の価値観に自分の人生を合わせることほど、辛いことはないよ」シロさんは自分の基準値を他人に合わせるのはお勧めできないと恵に言う。
見附恵は大学入試に失敗した。Ａ判定だったので滑り止めも売れていなかった。しかも、それを理由に彼氏に別れを切り出され（おまけに親友とくっついていて）、家に帰れば母親は叱って「お姉ちゃんはもと難しい大学に一発で受かったのに」と文句を言うばかり。思わず家を飛び出して、衝動的に大嫌いな姉の居る北海道に向かってしまったのだ。
しかし、アパートに姉は居なかった。というより、姉の居るはずの部屋もなかった。
困った恵は、千歳空港の駅で知り合ったシロクマと旅に出ることにした。紺のダッフルコートを着たシロクマのシロさんは、彼女の愚痴を聞きながらあちこち市内観光を案内してくれたのだが、その最中に姉の陽代からメールが入った。観光なら小樽がお薦めと……。
周囲のあり方に不満を持つナイーブな女子高生と、妹や家族に不満を持つ大学生のシロクマが北海道を旅して回りながら会話を積み上げていくことで自分と他人との関係のあり方について見つめ直す青春トラベル小説、そしてクマ。
【シロクマのシロさんと北海道旅行】【百度ここ愛】【のみや】【アルファポリス文庫】【スープカレー】【締めパフェ】【イチゴラッシー】【豚骨ラーメン】【ノルベサ】
