付け焼き刃の覚え書き

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「タムール記(1) 聖騎士スパーホーク」 デイヴィッド・ エディングス

2012-01-17 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「祈りすぎは人間の脳みそをふにゃふにゃにしちまうのさ」
 聖騎士カルテンの言葉。

「教会は俗世間で生きなければならなかった。しかし世間が教会を堕落させるスピードのほうが早かったのです」
 聖騎士スパーホークの言葉。

「政治はれっきとした犯罪なのよ」
 女王エラナの言葉。

 エレニア記の続編、タムール記の開幕ですが、初っぱなから宗教家にも政治家にも喧嘩を売りまくりで、その毒舌ペースは前作を超えています。快調な出だしです。

 古きアザシュ神を打ち滅ぼし数年。聖騎士スパーホークも妻であるエラナ女王との間に愛娘ダナエが生まれ平和に暮らしていたが、諸王国と教会の勢力争いは表面化しつつあり、かつての仲間との関係も疎遠になりつつあった。
 そんなおり、世界の反対側のタムール帝国から聖騎士スパーホークに救いを求める密使が到着する……。

 夫婦共著のせいかエデイングス作品では、男女の違いは人種や国籍による差より大きく、男には女を理解することは到底できないということが何度も繰り返し形を変えて指摘されます。そして女性を強姦するものは、問答無用で喉をかき斬られて腸を引きずり出されて当然というスタンスなんですね。

「人々の信頼を得る最良の方法は、世間の悪をすべて正すと約束することだよ。そうした約束事は人心を動かす力を持っているが、じっさいに守られると思うのは世間知らずのおめでたい連中だけだ」
 聖騎士アラスの言葉。
 日本でも選挙がある都度、この言葉を思い出します。

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