付け焼き刃の覚え書き

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「タムール記(3) 青き薔薇の魔石」 デイヴィッド・ エディングス

2012-01-21 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「アニアスは優秀な政治家だったわ。人を殺すのにふさわしい時期というものを正確に心得ていたの」
 エラナ女王の反省。
 前シリーズはいきなり彼女が毒殺される瀬戸際から始まりましたが、あれは単に暗殺合戦の結果で、相手の親玉をやる前にこっちがやられただけだったという意外な真相です。エディングス作品の女性はみんな恐いなあ。女神アフラエルも「わたしは血がほしいのよ。血が!」と絶叫してるし……。

 一連の事件の背後に戦神シルゴンがいることを察知したスパーホークたちだったが、二重三重に張り巡らされた陰謀が次次に襲いかかってくる……。

「人間がもつ醜い性質のひとつは、ひどい扱いを受けた人々を憎む傾向があるということです」
 シネスガ駐在のタムール大使補佐官イタンの言葉。そのほうが罪悪感を認めるより楽だからと。

 役人は選挙で選ばれ拒否権はないというテガ共和国のくだりが面白いです。私有財産をすべて没収された上で5年間の公務。その間に国庫が黒字なら任期満了時に財産は増えて戻ってくるが、赤字なら紙屑という斬新なシステム。「あんな仕事、だれが一生続けたいと思いますか?」って。

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