
ペスト禍を目の当たりにした『ロビンソン・クルーソー』の著者が、事実の証人として地獄絵図を精密に描き出したもの。
ペストにかかって道連れとばかりにわざわざ人のいるところに飛び込んでくる者がいるかと思えば、死者が減少し始めた途端にもう安全と喜んで街に出かけて、あるいはわざわざ避難先から出戻ってきたあげくに一家全滅したり……と、疫病は最後の最後まで油断できないと教えてくれます。
「確かに、疫病に猛威をふるっていたときのほうが、助けを必要とする者や困窮している者は多かったが、貧困の度合いに関していえば、災禍が去ったあとのほうがずっとひどかった」
これは今も昔も同じかな。災禍が去ったからといって、急にすべてが元通りになるわけではないのです。
【ロンドン・ペストの恐怖】【ダニエル・デフォー】【地球人ライブラリー】【小学館】
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