「本好きの下剋上～ハンネローレの貴族院五年生１」 香月美夜

「ハンネローレ様の行動は、私への求婚で本当に間違いないのですか？」
　いきなり腰を払われのしかかられたヴィルフリートは周囲に確認を求めるが、ハンネローレの答えは是である。

　昔のハンネローレは気弱で泣き虫姫と言われていた。今も気弱なままだが、なによりも間の悪い少女になっていた。
　武の名門ダンケルフェルガーの領主候補生として、そろそろ数多の婚約者候補達から結婚相手を決めなければならないのだが、思い切ってダンケルフェルガー流に縁深いヴィルフリートに自分から告白（投げ飛ばして押し固め）してみれば、１年前ならいざ知らず将来がギーヴ（中規模領の領主）に決まった身では、大領地ダンケルフェルガーの領主候補生を娶ることなど考えられないというのだ。
　そんなとき、女神の化身ことハンネローレの親友、ローゼマインに連絡がつかないと女神がハンネローレの身体を借りて降臨するという事態が起きてしまう……。

　間の悪い少女が、縁結びの女神に翻弄されながら婚約者を決めるために奔走する「時空を越えた恋愛バトルファンタジー」。気弱で小柄なツインテール少女なのに、いざとなればバトルアックスを振り回し、男を押し倒してしまうあたり、まさにダンケルフェルガー娘。

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