付け焼き刃の覚え書き

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「アンダカの怪造学~ネームレス・フェニックス」 日日日

2007-09-23 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 表紙に惹かれて日日日の『アンダカの怪造学~ネームレス・フェニックス』を手に取り、ぱらぱらと内容を確認し、面白そうかなと購入。久々の角川スニーカー文庫ですね。

 現代日本に近い世界。でもその世界が我々の世界と違うのは、怪造学、つまりアンダカという異世界に棲息する生物を召還する技が一般的となっていること……。

 初っぱなでいきなりつまづいた。作品そのものの面白さとは関係ないとこ。怪造生物と共存できる世界を夢見る少女、空井伊依の名前。
 「空井」と書いて「すかいい」と読む(まるで子供がつけたゲームのキャラ名みたい)。つまり「空」を「sky」と読ませる。ということは、この名字はいつ頃成立したものなのだろうか。名字なんてものは誰かに勝手に割り振られたものではなく、その血筋なり住んでいた環境なり主義主張なり職業なりを表すもの。由来を追いかけるだけで短編の1つくらい書けるネタになるわけで、疎かにしてはもったいないものだからだ。
 もちろん本来の読み方以外で読ませる名前は多い。名字にしても戸籍が導入され、庶民も名字をつけるよう定められとき、誤字誤読がまかり通って今に至るものも多いし、それが名前ならなおさら。西欧の名前に漢字をあてはめたり、カタカナで表記するものもざら。でもあえて名字を「英語」であてるとは……確実に明治以後。江戸以前からの名字なら、外国語をあてるとしてもまずオランダ語ではなかろうか。新しもの好きのカブキ心が母国語への親しみとか世間体に優ったとしても……少なくとも古い家柄じゃなさそうだ……などと考えてしまい、なかなか先に進みません。年寄りはどうでも良さそうな枝葉にこだわる。

 私より先に嫁さんが読了。感想は「テンポがよくて面白かったけど、やっぱネーミングセンスがどれもね」とのこと。やはり……。
 話としてはそれなりに面白いけれど、無条件に「作家買い」を薦められるレベルじゃない。ポケモンレベルのネーミングセンスがちょっと心情的に辛いかな。とにかくフォローは必要な作家です。

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