付け焼き刃の覚え書き

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「玉葱とクラリオン」 水月一人

2020-05-15 | 異世界転移・召喚
 バイトの合間にソシャゲで遊んでたら異世界に迷い込んでいたお気楽青年、但馬波留は困窮していた。現代日本人の生半可な知識は通用しなくてチートにもならず、ろくな職にもつけないままだ。
 そこで波留は生き残りをかけた起死回生の策に打って出たのだが、それは現代日本で言うところのネズミ講であった……。

 剣と魔法が支配する世界で現代人の知識を頼りに立身出世しようと目論む詐欺話が技術チートになり内政チート話になり、「よくあるパターンだよね」「2015年スタートなので、これがむしろ内政チートもののスタンダードを作った?」とか思いつつ、やたら火薬とか内燃機関の解説とかうんちくが長いよねと読み進めるうちに、いつの間にか戦記物になり、そのまま行くのかと思っていたらトロッコ問題もかくやという「大事な1人を救うか世界を救うか」という人類文明を賭けた話になり、最終的に魔法の存在する意味からゲームみたいなステイタス管理の謎まではっきりさせて、読後感はハインラインな全363話完結。
 胡散臭い男の双肩に人類文明が乗っかるあたり、まさにラザルス・ロングってところ。

玉葱とクラリオン】【水月一人】【小説家になろう】【ソープ王と呼ばれた男】
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