付け焼き刃の覚え書き

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「コワルスキーの大冒険」 高千穂遙

2022-03-08 | 宇宙・スペースオペラ
「艦長は特別よ。短気で、直情型で、ばかばかしいくらい正義にこだわって、上の命令を平気で無視する。海賊相手の戦功で大佐にまで出世したけど、まかされるのは重巡止まり。あれだけの経歴なら、ふつうは戦艦の艦長になっているはず」
 つまり、それがコワルスキーという男だ。

 「銀河系最後の秘宝」の発動によってブラックホールが出現。その超重力に呑まれて爆沈したかに見えた連合宇宙軍の重巡洋艦〈コルドバ〉は、間一髪、ワープ機関の始動に成功。ターゲットを定めないままランダム・ワープに突入していた。
 成功率の低いワープに成功した〈コルドバ〉だったが、ワープアウトしたものの満身創痍で電子機器の機能は喪失、エンジンはいつ爆発してもおかしくないという状態。コワルスキー大佐は艦内を掌握し復旧作業を進めながら、観測された最寄りの恒星系めざして通常空間を航行することにしたのだが……。

 クラッシャージョウ・シリーズの別巻といえば、1が劇場版アニメのノベライズ『虹色の地獄』、2が時代を遡って父親クラッシャーダンとダーティペアが共闘する『ドルロイの嵐』、そして3は時間が下って、死んだはずのコワルスキー大佐の生還譚『コワルスキーの大冒険』となります。
 ガンビーノ以来、良いキャラクターでもさくさく死んでしまう「クラッシャージョウ」。2作目『撃滅!宇宙海賊の罠』に登場し、主人公のライバル的位置づけになるかと期待したコワルスキー大佐も次の『銀河系最後の秘宝』でブラックホールに消えてしまいます。それから44年、「実は生きていた!」になるまでの長かったこと!!
 これで『彷徨える艦隊』のギアリー大佐みたいなポジションについてしまったコワルスキー大佐なので『コワルスキーの大冒険2』にも期待したいところだけれど、実は案外とあっさり流されたコルドバ漂流365日の航海もじっくり読みたいところです。

【コワルスキーの大冒険】【クラッシャージョウ 別巻3】【高千穂遙】【安彦良和】【ハヤカワ文庫JA】【日本のアクション・スペースオペラの祖】【アニミズム系新興宗教】
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