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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ぼくはオンライン古本屋のおやじさん

2018-06-23 18:07:26 | 読んだ本
北尾トロ 2005年 ちくま文庫版
先月にリサイクル書店で買った文庫。
著者がネットで古本屋をやっているってのは、漠然と知ってたんだが(←実際にアクセスしたことがない)、こないだ古本蒐集の道中の本を読んだもんだから、順番前後したけど、これ読んでみることにした。
タイトルは、『ぼくは本屋のおやじさん』へのオマージュなんだろうねえ。
ネット古書店を開いたのは1999年10月のことだそうで、もとのこの単行本の出版は2000年9月、えらいねえ新しいこと始めて忙しいのに同時展開で本書いちゃうなんて。
なかみは、自らが店を立ち上げて運営していくなかでのホントにコマゴマしたことまで書かれてるので、同じ商売始めたいひとには具体的にとても参考になるんぢゃないかと思う。(あ、俺か?)
ところで、
>「本棚が本でいっぱい。これをどうするか」というところからオンライン古本屋に踏み切ったというのに(p.227)
始めてみたらあれこれ仕入れをして在庫が増えて、本の置き場がなくなって部屋中が大変なことになってしまった、というのは笑える。
なんでも手もちの700冊から始めたのに、開業10か月で1500冊をかかえる店になったんだと。
実益をかねた趣味とか副業とかってんぢゃなくて、完全に商売になってる。
もちろんそれまでのライター稼業も続けてるんだけど、開業3か月にして、
>ではどれが生活の中心なのかというと、古本屋なのだ。お金のことを無視してどれかひとつ選べといわれた、迷わず古本屋を選ぶだろう。(p.174)
って境地に達してるし、その翌月には、
>当初は、どうせ手持ちの本なのだから、できるだけ安く売って喜んでもらおうという意識が強かったが、もうそんな時期は過ぎた。やるからにはしっかりしたシステムを作り、きちんと利益を出して、仕入れと販売のサイクルのなかで本の価値(といっても、それはぼくが判断するのだが)に応じた値段をつけるべきである。(p.184-185)
と経営方針を確立するまでに至っている。
そうそう、毎月の売り上げと経費と利益も公表してたりして、ホントあとに続くひとたちにとっては、いいガイドなんぢゃないかと思う。(え、俺?)
でもなあ、毎日作業がたいへんそうだし、肩こりもひどいとか言われると、私にはできる体力あるかなーって心配になってしまう、最近、腰が痛いんだよね、なんにもしてないのに。
それにしても、お客さんとのトラブルが皆無みたいで、そんなにうまくいくもんなんだと、そこがいちばん感心した。
たぶんサイトのつくりがいいからなんだろう(見たことないけど)、だから理解者が集ってんぢゃないかと。
章立ては以下のとおり。第5章の日記が詳細にわたってていい。
第1章 オンライン古本屋ほど素敵な商売はない!?
第2章 オンライン古本屋の作り方
第3章 「杉並北尾堂」ただいま営業中
第4章 ぼくが出会った愉快な仲間たち
第5章 オンライン古本屋の眠れない日々
コメント
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