えーと、やっぱ最初に、前回“引き”をしちゃったことに触れぬわけにはいかないか。
(自慢聞いてほしいひとにはメールしちゃったから、いまさらここでは、もういいんだけど。)
実は、ひょんなことから、アンダルシアンのタリスマンに乗っけられちゃった。

当日は、春だというのに、小雪が舞ってきた。馬場に出た途端である、めずらしいことは、してはいけない。
あたりまえだけど、先生が乗って、馬は仕事わかってる状態(または我々シロウトからみると「魔法がかかっている状態」とも呼ぶ)からスタート。
馬は、「今乗ってるやつ、ちょっとヘタ?」とか戸惑ってたようだけど、もうお邪魔にならないようにだけ心掛けた。
課題は、スペイン常歩と、ピアッフェ。(と、クールベット…。) (←わからない言葉は辞書をひきましょう。)
神をも恐れぬというか、ほんと罰当たりな無謀きわまるチャレンジだ。

(↑写ってない後ろから、先生がムチの扶助つかってます(爆))
だいたい半減却もままならない私に、ピアッフェできるわけがない、って始まる前から言ってたんだが。
「コンタクトを維持するだけの最小限」(「JRA Dressage Training」を読んでね→
http://jra.jp/bajikouen/Dressage_Training/index.html)って、私の最も苦手な分野じゃん。いつも「引っ張るな」とか「かえすとこつくって」とか言われまくってんだから。
とか何とか言ってたら、なんだかわかんないまま、馬は動いてくれてたみたい。(みたいってのは、自分が何してたか分からないから。)
最初は当然緊張してたんだけど、終盤は、馬から「どうだぁ?すごいだろー? おまえももうちょっと楽しめー!」みたいなものを感じたんで、私も余裕ができてきた。
そうして、ラクにしてやることができると、馬の動きはますます良くなった。馬に教わってばっかり。
ほんと、偉大な馬だ。(←こらこら、ひとが馬をリスペクトして、どうする? ボスになれ。…ってムリだよなあ、人馬でレベルが違いすぎ。)
これ以上は、長くなるので(ほんと長くなるだろう)、またの機会に。とりあえず、報告おわり。

さて、興奮さめやらぬまま、っていうか個人的乗馬ブーム全開状態になってしまい、今日も乗馬にいく。
陽が昇るのなんかはかなり早くなった気がするけど、風は冷たく、まだまだ寒い。
きょうはマイネルミレニアム、2週連続2度目。
馬場行ったら、常歩でウォーミングアップ。前へ歩く気はじゅうぶんあるんだけど、どうもあっさりうけてくれる感じぢゃない。
ぢゃあ部班やるよーって、うまいこと先頭を避けて5頭立ての4番手に位置する。
なんで部班に入ってるかっていうと、広いとこで一人で乗っても、やるべきこと一緒、座りの改善(正確には脚の位置と使い方)とハミうけの実現だけだからである。わかりやすい区画のなかで列になってたほうがラクだ。
さて、こないだ気づかなかったけど、あらためて乗ってみると、サスペンションが固く感じるよ、この馬。(←アンダルシアンと比べてはいけないぞ、俺!?)
反撞のきびしい馬に、すわろうとしてはいけない。こっちも固くなってしまい、ドスンドスンぶつかっちゃう。
動け、関節を動かして、筋肉をやわらかくして、一歩ごと馬が動くのにあわせて、人間も動け、動かないから衝撃がきちゃうんだって。馬は前へ進むにきまってんだから、その動き読んで人が先に動け。
カカト下げようなんて考えると、足首固まっちゃうから、そうぢゃなくて、一歩ごとに足首の関節開閉させるように、動かすほうを意識する。
そして、ハミうけ。長蹄跡でまっすぐ進んでるときでも、内の手綱でぎゅっと内向けることしたりして、やりとりする。
内向けたりなんかしてるうちに、隅角にさしかかると内に入ってこないようにって、外に圧しだしたりするんだから、なかなか忙しい。
アタマ下がったかなと思っても、軽くなってこないで抵抗を感じることが多い。でも「引っ張り合うな」「ゆずったらラクに」「かえすとこ作れ」ってブツブツ唱えて、なるべく手が強くなりすぎないように注意しながら回る。
なんか納得いかない(たぶん馬も納得してない)けど、輪乗りで駈歩。
気がつくと、手綱引っ張ってる。手綱を頼りにしてぶらさがったりしてるつもりはないんだけど、なんか私は強いコンタクトがないと不安というか、何もできないような思い込みがあるみたいで、前に進めるべきとこでも手綱をギューっとしたがる、というのが最近ようやく自覚した、手綱引っ張る原因である。
いちどハミうけとか忘れて、ラクにして前へ出ることのほうを優先、手綱引っ張らないように、手を馬のクビに置いちゃうくらいのつもりで、駈歩を続ける。
それから、あらためて持ち直して、もうちょっと内向いて走れよー、とか始める。開いて、馬がアタマ下げたら、すぐ手を戻す。
蹄跡行進、例によって隅角でガチャガチャやったら、ちょっと馬がイラッときた感じがした。確かにいまの内の手綱は乱暴な引っ張り方だったわ、やばいやばい、ごめんごめん。そのあと少し遠慮する、基本的にサラブレッドを信用してない私、キレられると危ないし、っていうか部班で飛んだり跳ねたりすると周りに迷惑だからね。

(きょう、アツくなって、いっしょけんめ、やりすぎたので、馬場で写真を撮るのを忘れた。手を放すヒマがないときは、よくあることだ。)
んぢゃ、部班はおわり。数分休憩。
終わってもいいんだけど、もうちょっとうまく乗りたいので、もうちょっとだけ試してみることにする。
適当な大きさで輪乗り。ただし先週同様、砂の深そうなとこは、馬が嫌がりそうなので、避ける。
最初、常歩。内の手綱開く、アタマ下がったら、もと戻す。
わりとすぐ反応するので、なんかリズミカルになってきて、戻すの忘れることがなくなる。
油断するとアタマあげられちゃいそうだし、ときどきイヤだよーって感じのガツガツとした抵抗があるんだけど、基本しょーがねーなーって感じで次第にハミうけは改善されてきた気がする。
そしたら、速歩。丸くして乗ろうとか、いろいろやりはじめたら、ああ軽速歩のほうがお互いラクだよなって、わりとすぐ気づいたので、軽速歩で輪乗り。
開く、いうこときく、戻す、やってること一緒。
よくなったかなと思ったら、歩度伸ばす。伸ばすと、私の場合、ウケるの甘くなる、ただ馬が伸びてっちゃうだけ。そう思ったら、また詰める、いいカッコ追求するのは、遅いほうがやりやすい。
よっしゃ、駈歩すっか。駈歩でもおなじ、内向け、ゆずった、かえす。
あまり繰り返さなくなった、アタマの位置低いままで回る時間が長い。
詰めたり、伸ばしたりもする。始めたときより、乗りやすくなった気がする。
それにしても、アタマずいぶん低いな、これでバランスとれてんのかなって思ってると、先生やってきて「いいですよ、良くなりました」と言ってくれる。
たしかに、以前の私だったら大満足な状態なのは間違いないんだけど。
大方うまくいってるんだけど、ほんの何割か物足りなさを感じる。これで不満とは、神をも恐れぬ傲慢さだ、我ながら。
でも、こないだ体験した、パーフェクトな(と当人は思ってる)ハミうけ(byギルデッドエージ)に比べると、ちょっと力強さがいまいち。
あれは言葉にできない体験だったんだけど、あのときって、自分の手に一馬力を感じたんだよね、ヘンな言い方だけど。引っ張るとか抵抗する重さとは違う、馬の前進する手応え。
それと、自分の尻の下から持ち上がってくるような踏込、それらがトータルで、ものすごい力強い動きだった気がする。
くらべると今は、馬のアタマは下がって、全体は丸くなってきてはいるんだけど、なんか力がたまってる感じはしない。
あのときは、たとえば今目の前に階段があったとしても、一段抜かしでサクサク登っていけるぞ、って雰囲気の(妙なたとえ方しかできないが、ホント前方しかも上へ行きそうな動きだったんだ)パワーあふれる動きだったんだけどな。
なので、せっかくホメていただいてるのに、ナマイキ極まることに「まだ、ウケてるというよりも、どこかモタレられてるような感じがあるんです」なんて、ほざいてしまった。
「あー、だとしたら、その状態で、もっと馬を動かすようにしてください」がお答え。なるほど。そうか、なるほど。
「あと、拳つかったときに、いっしょに上体が前に倒れてしまっている。もう少し姿勢よく乗って。そのほうが使いやすいでしょ」というご指摘も。
そうかそうか、最初反撞がきびしかったりしたせいか、なんかフワッとした腰のかまえになってたかもしれない。いまは馬も丸くなったし、騎座でというか背骨でというか、すこし押しちゃうようなつもりで乗ってみる。
最後、馬場の経路おさらい一周して、おしまい。速歩から常歩にするポイントどこだったか、あやふやだけど。
よほど私にしては、馬をいいカッコにできてたらしく、先生から「その馬、好きですか」と訊かれる。
せっかくだけど、好きというのとは、ちょっと違うなあ、サスペンション硬めだし。(それって腰にこたえるし。)
ただ、なにかすると、わりとすぐ応えてくれるんで、練習相手としては、いい、楽しい。

鞍はずして、マイネルミレニアムに、おまえは俺のこと好きかって訊いたら、いいからリンゴ出せって、ひとの手をフンフンしはじめたのには、まいった。(まずお湯汲んでやったのに飲まないで、ひとの手に寄ってくるって、ホント何さ?)