many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

最高の結果を引き出す質問力

2017-05-13 18:06:04 | 読んだ本
茂木健一郎 2016年 河出書房新社
サブタイトルは、「その問い方が、脳を変える」。
だいぶ前に、どこだったかな、地下鉄のなかかなんかで広告をみて、ふと興味を持って気になってたのを、忘れかけてた頃、こないだ書店で見つけたんで、買って読んでみた。今年3月で5刷。
著者はよくテレビでみることあるんだけど、ホントは何をしているひとなのか知らなかった、本書によると「クオリアのひと」だそうです。
(クオリアが何なのかは、クオリアの本を読んでわかったら書きます。)
脳科学者の書いた本なので、質問するときというか考えるときというか、脳がどうなるということには、もちろん少しは触れてるけれど、基本的にはそういう理科の本ではない。
どっちかっていうと、よりよく生きるための力をつけようという問題提起。
ハウツーものとはちょっと毛色が違うように思うけど、話は具体的です。
強く言いたいとこは、ところどころ太字で強調して書いてあるんで、そこ読んどけばまちがいないし。
キーワードはタイトルにもしてるんで当たり前だけど、質問。
>質問とは、現状を少しずつ、しかし結果的には大きく変えていく力。
>自分にとってのいい生き方・行動・思考を導き出す力。(p.79)
ということで、頭のいいひとほど、世の中には唯一絶対の正解なんてものが無いのわかってるから、問題を明確にして適切な行動を起こすために質問をする、んだそうです。
>質問とは、思考停止を脱却することです。(p.29)(←これ太字ね。)
ってフレーズもなかなかいいですね。
でも、いい質問をするためには、どうしたらいいかってのは、実は山ほどあって、そいつを全部マスターするのは大変だぜ、って私なんかは思うんだけど。
ひとつ大事なのは、自分をメタ認知することなんで、もし実行に移すなら、まずはそこからだな私だったら、という気がする。
直接の質問の仕方というのとは違うけど、私が本書のなかで、オヤッと目をひかれたものの一つに次のようなとこがあった。
>私は、自分と違う意見の話を聞いたときに黙り込んでしまう人を見ると、素直に「いい人だな」と思います。呆然としている、あるいは黙り込んでいるのは、話を聞いて心の中でなにかが動いている証拠です。
>そんなにすぐに人の話は分かるものではないのですから、黙り込んだっていいのです。違う意見を聞いて、すぐに捨ててしまうようなら、話を聞きにいく必要はありません。(p.102)
うーん、べつに私はいい人だと思われたくはないんだが、よく黙っちゃうんだよね、特にトシとるとともにその傾向つよくなってきた気が自分でする。
実はただ単に理解力がなくて、レスポンスが悪いだけだったりするんだけどさ。
それでもいいんぢゃないのと、誰かに味方してもらえると少し安心するんだが。
おっと、そんなことより本書に紹介されてる、スティーブ・ジョブズのスピーチにあるという問いは、ドキッとするよ。
「今日が人生最後の日だとしたら、私は今日やろうとしていることをやるだろうか?」
うーむ。ノーと答えるまではいいが、ぢゃあ何をするかっていうと、何もなくて困る。まずしい人生だ。
コンテンツは以下のとおり。各章の最後にポイントをまとめたページがあるので、何書いてあったっけって思い出すのには便利。
1章 質問は人生を変える
2章 質問力とはなにか
3章 いい質問、悪い質問
4章 質問は脳の可能性を広げる
5章 質問力をさらに高める8つのアクション
6章 日常生活で活かす質問術
巻末に「現状を変えるための質問」って、短い質問例文集がある。やっぱマニュアル好きな人用の本かな。
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暗黒神話 完全版

2017-05-07 18:33:16 | 諸星大二郎
諸星大二郎 2017年3月 集英社
きょう、(なんせヒマだし、ブログに書くこともないし)何か目新しいものでもないかと、近くの書店へ行ったら、コミック新刊が並んでるとこに、「暗黒神話」が積まれてた。
びっくり。

そうかー、ウワサには聞いてたが、なんか豪華装丁の新しい版が出たっていうのはこれのことかあ。
と思って、値段見たら、またびっくり、3200円+税? 高っ!
うーん。さすがにちょっと躊躇した。
私は愛読者のつもりだが、コレクターではないので、持ってないからって何でも買うわけではない。
探してる古本だったら、その場でつかんで勢いで買うんだが。
まだ数も多くあるから、ちょっと様子見でもいいだろと思い、いったんウチ帰って、情報集める。
そうすると、外装変えただけぢゃなくて、どうやらなかみは、大幅に加筆された「完全版」ということらしい。
うん、買おう。
ふたたび出かけてって、さっさとレジへ。マンガ一冊で三千円超えは初めてだなあ、いままで一番高かったのって何だろ、とかボンヤリ思う。
>黒と銀、2色のインクが描き出すのは、現実と心象世界が交差するひと函の小宇宙。さらなる加筆と新釈、印刷技術の粋を集めた豪華装丁によって、不朽の名作がここに甦る。
って外に貼ってあるのの、印刷技術のなにがどうなのかは私にはわからん。凝ってることは確かのようだけど。

さ、読むか、って箱から取り出す前に、つい手を洗ってしまったよ。
表紙めくったとこに、“羅睺”の画が描かれた紙が挟み込まれていたのは、うれしい遊び心だ。
読んでくと、最初のほうはそれほどでもないけど、中盤から一挙に加筆が増えてて驚かされた、これはハンパぢゃない描き加えようだ。
天台宗からは、慈空上人だけではなく、慈海和尚なんて新しい登場人物が出てくるし。
飛鳥から京へかけてのエピソードがふくらんでいて、ここらへんはまったくの新展開、うれしい。
以前は「そして 飛鳥 奈良 京都で 腰に みいっつ…」だけで終わってたとこだ。
スサノオ像の登場も新しいかたちを見せてくれてるし。
ケータイのない時代だから、追っかける菊池一族に連絡をとりあうための無線機なんか持たせてるのは、ちょいと苦しい感じするがご愛嬌か。
最後は聖徳太子までアートマンの系譜に巻き込むことができて、ジグソーパズルのピースがまた増えて、物語世界の複雑さが深まったのは長年のファンとしても満足。
さあ、せっかくだから本棚しまう前に、みんなそろっての記念写真でも撮るか。

…しかし、どこにしまうかな。ガラス付きの新しい本棚でも買うかな…
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大逆転勝ち!

2017-05-06 18:44:08 | Weblog
連休はほとんど何もすることなくウチにいるんだけど。
いよいよやることなくて、今日はデーゲームだったな、とテレビで野球観る気になったのは、15時まわってだいぶ経ったころか。
GAORAつけたら、すでに6対0で負けていて。
相手はすでに先発野手全員安打とかでプロ初先発はボコボコにされちゃうし、とっとと4番打者引っ込めちゃうし、って展開でみるみるうちに5回の表で9対0になっちゃった。
ポロポロくだらないエラーもするし、ふつうブチ切れてテレビ消すとこなんだけど、なんせすることないからズルズルと観てた。
そしたら、点数がボチボチ入ってきて、相手がフォアボールで自滅したってのがあるとはいえ、なんかランナーがたまりだした。
満塁で長打でた瞬間は、ヨッシャー!って声が出ちゃって、1イニング7点入って1点差にせまると、もう目を離せない。
いやー、ひさしぶりに、テレビの前で体勢変えられなくなる(=自分の姿勢を動かすと勢いが止まってしまうような気がする)という現象に出くわしたな(笑)
(この心理については、むかし山藤章二氏もあると語っていたことがあり、私だけぢゃないんだと意を強くしたことがある。)
こうなりゃ勝つしかないだろと思ってると、次の回には、長いビデオ判定で同点ホームインがアウトに覆されちゃうというアヤはついたが、その後ちゃんと打ち直して逆転。
この試合勝つかね、と思いつつ、気分よくなって最後まで見てた。
試合終了のときには、おなかいっぱいって感じ。
たまーにこういうことやってくれるから好きさ、タイガース。
(どうでもいいけど、解説の岡さんという方は私はよく知らなかったんだけど、作戦とかについてなかなか渋いことを言う。)

※5月7日写真追加。今年2月に大阪みやげ(?)で買った、タイガーストレーナー。
(グレーのが欲しかったんだけど品切れだったんだよなー。)

…どうでもいいけど、最近、試合の日に球場の近くでは、ユニフォーム調のもの着て歩ってるひとが多い。
あーゆー文化って、昔はなかったような気がするんだけど。
(街なかで野球のカッコしてたのは、過度にイレ込んでる応援団のオッチャンぐらいだったような気がするんだが。)
いつから、こんなふうになったんだろうと疑問をもってる。(サッカー界の影響とか?)
そーゆーのって球場に入ってから着るもんぢゃない? って私なんかは思う。
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BOX~箱の中に何かいる~2 

2017-05-05 17:43:26 | 諸星大二郎
諸星大二郎 2017年4月 講談社モーニングKC
連休の前に、2巻が出てるのを知って、あわてて買った、諸星大二郎の最新刊。
(それより、西遊妖猿伝やってほしいんだけど…)
箱博物館へようこそ、と魔少女が招き入れた、四角い館の迷路のなかを登場人物が出口求めてさまよう続き。
ルールはだいたい以下のとおり。
・出口を空ける方法はひとつだけ、お客さんたちがパズルを全部解いたら開く。
・パズルを解くと何かしるしをつけられる。
・奥に何かがいて餌を待ってる。餌はあなたたちの一部。要らないと思ってる部分を合意のうえで与えてくれればいい。
・特に重要なルール違反はパズルを故意に解かないこと。そんなことをすると箱が怒る。
ということなんだが、この第2巻は迷路のなかをひたすら走り回ってる印象に終始する。
追っかけてくるのは、諸星作品お得意のドロドロ、グニャグニャして合体した怪物たち。
いーねー、「ぱらいそさ いくだ!!」のころから変わらないビジュアルだ。
登場人物の誰かがそれに巻き込まれちゃうのも、ヒルコのときから引き続きの伝統芸だ。
とにかくバタバタしてる場面が多くて、もうちょっと謎解きの要素がほしいような気もするが。
でもこの巻では、ここに集められたひとはみんな何か秘密を持ってる、って大事そうなことが示唆されてたりするので、そこ期待。
箱の出口も近そうなので、次巻あたりでめでたく完結してくれるのではないかと思う。
そうそう、こういう異界めぐりは、稗田の生徒たちにやってもらいたいものだ。
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古本道入門

2017-05-04 18:18:06 | 読んだ本
岡崎武志 2017年2月 中公文庫版
サブタイトルは「買うたのしみ、売るよろこび」。
ことし2月の末だったかな、ふらふらと文庫売場を見てたら、新しく出たものみたいで(後ろ確かめたら単行本が2011年)、ちょっと面白そうに見えたから買った。
私ゃ古本屋は好きなわりには、あまり古本に関する本とか熱心に読むわけぢゃないんだけど、なんとなく、たまにはって気になったもんで。
おそらく、いま思うと、こうして本を横に置いて眺めてたらそんな気がしたんだが、表紙の画がいい感じしたのかもしれない。
しかし、いよいよ読もうとして、ページひとつめくったらガクッときちゃった。
目次の第1章のタイトルが「いま、古本屋がおもしろい」なんてえんだもの。
そりゃないだろ、と力が抜けてしまった、「いま、○○がおもしろい」とか「夏こそ、○○!」とか、イマドキそういうのよそうよ、と私は思う。
ま、それはともかく、衝動買いしたわりには、二ヵ月くらい放っておいて読もうとしなかったのには、タイトルがこれまた食指が動くものぢゃなかったってえのもあるんだよね。
なんでも道にしちゃうんだけどね、日本人って、あんまり好きぢゃないんだ、私はそういうの。
そう思って「まえがき」読んでたら、マジ道に入っちゃってるみたいで著者は。
>明日、見知らぬ、新しい本と巡り会えるかもしれない。それだけで、人生、今日の安らかな眠りと、明日の目覚めを待つ理由がある。(略)そこに驚きがあり、鈍る感性へのキックがあり、使わなかった好奇心の電球がまた一つ点灯する。死ぬまぎわの一瞬まで、この「古本道」の行進は続くのだ。(p.15)
はー、そうですか、としか言いようがない。そんな大げさな、ってのは聞こえないように言うしかないだろうけど。
でも、なかみは、それほどかたくるしいことはなくて、こんこんと説教されちゃったらどうしようかと思ってたのに、ハズレではなくてホッとした。
とくに、神保町ガイドとか、即売店初めて行くなら初日の午後以降にしろとか、ってのは実用的でためになります。
第1章 いま、古本屋がおもしろい
第2章 本じゃなくても古本だ―重文級からハルキまで―
第3章 オカザキ流、古書の森のさまよい
第4章 世界一の古書街「神保町」ガイド
第5章 古書旅のすすめ
第6章 ブックオフの使い道
第7章 即売店のたのしみ
第8章 古本を売る、店主になる
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