前の記事も微妙でしたが。水曜日の午後は練習の初めにミーティングを実施することにしました。こちらもある程度の「覚悟」を持って。「競技力」としてはかなり上がって来ていると感じています。が、そこに足りない部分もある。ちょっとした飛躍を目指すのではなく大きく伸びるためには今のままでは難しい。
ミーティングでkytbnで見た練習の様子を何度も繰り返し見せました。技術的な練習ではなく「往復走」での姿を見て何度も何度も。同じ高校生です。競技力に差はありますが年暦的には差はありません。その選手達が必死に「日本一」を目指す練習の雰囲気。これを私は目の前で見てきました。うちの選手にどれだけ話をしても伝わらないのであれば動画を見ることで少しでも雰囲気を感じられるのではないかなと。
走る前に全員が声を出して自分たちを鼓舞しています。走り始めると最大スピードで走り抜ける。その後も誰一人下を向く事がない。待ち時間もそれほどないですがずっと声を出して鼓舞し続ける。「出し切るよ」「行けるよ」とそれぞれが大きな声で言葉にしている。明確な目標があってそこに向かって進んでいるチームだなと強く感じました。
これまで私が何度も伝えてきました。それでも実感が湧かない。当然です。「本物」を見ていないのですから。自分達は「一生懸命にやっている」と思ってやっています。だから私に何を言われても入らない。が、こうやぅて「本当に必死になっている選手」の姿を見る事で気づく事がある。明確な差があります。
この練習の様子を見た時に「この子達は自分達は頑張っていると思っていないな」と感じていました。強くなるために、日本一になるために「当たり前のことをしている」と思ってやっている。特別なことではないのです。自分達が強くなるために声を出すのは当たり前。雰囲気が暗くなれば練習の質が下がる。そうなれば良い練習にならない。だから「当たり前」になる。
そもそも練習自体が楽しくて仕方ないという感じでした。普通の高校生ではない。でも彼女達にとってそれは「日常の一コマ」でしかない。特別な練習ではなく楽しみながらやっているのです。「好き」という次元はとうの昔に飛び越えて「楽しくて仕方ない」という表情でした。自分自身を磨く時間が楽しいのだと思います。
ハイアップの動画も。走っているだけではない部分。途中力の差があって離れていく選手がいます。それに対して怪我をして走れない選手がずっと声かけをしています。「離れるな!」と絶叫している。人生がかかった最後のレースを応援するかのような大きな声(笑)。
これは動画に撮っていなかったので補足説明をしたのですが走り終わった選手が疲れているのにしゃがみ込む訳でもなく後ろを振り返って「ラスト頑張れ〜!!」と全員で応援している。自分のことだけではない。チームとしてみんなで強くなろうという雰囲気しかない。
最高の練習の組み立ての中で練習をしているだけではなく、選手自身が強くなるための「考え方」「姿勢」で取り組んでいる。強くならない理由がありません。
その動画を見せ続けました。私がこの日に感じたことを言葉にして伝えながら。ここから何を感じ取るかは人それぞれだと思います。きっかけは与えました。同じ高校生でも「取り組みの姿勢」や「考え方」が全く違う。それを目の当たりにした時にどう感じるか。山口県という小さな枠組みの中で考えていたら先には進みません。持っている力を全て引き出せるかどうか。そういう練習をしたいのです。
動画を見てその後、日誌に自分達で感想を書いてから練習にしました。これで変わらないのであれば今後何をやっても無理だと思います。これも感覚。感じ取る能力。
今更ながらysd先生、mtm先生、sgy先生に感謝です。技術的な部分だけではなく「チームとしての在り方」についても学ばせてもらいました。何とかしてチームを変えたいと思います。