
ビートルズ本は、次から次へと暇もなく発刊されていて、付き合っていたら切りがないのだが、この本あたりは、気軽に入手できるので、ちょっと読んでみた。
なかなか面白い!
新たに発行される本、雑誌にすべて目を通していたら、書けるのかもしれないが、目の付けどころが面白い!ビートルズ研究を続けて、この手の本が書けたら、本望だろう。
ビートルズの物語については、ハンターディビスの伝記が、入門書とされていると思うが(私も中学時代に読んだ)、今となっては、かなり間違いがあることが明らかになっている。
ビートルズ自身やその取り巻きが、故意に、おちゃらけで、世間を惑わそうとしたことに起因する間違いもあるからやめられない。この馬鹿し合いが、たまらない。
本書の内容をちょっとご紹介。
1、レイモンド・ジョーンズは実在したか
レイモンド・ジョーンズは、ビートルズのマネージャーとなったブライアン・エプスタインが経営していたレコード店に、最初にビートルズのレコードを買いにきて、ブライアンがマネージャーとなるきっかけを作ったとされる人物だが、果たして、それは真実かウソか?
2、シタールは、どこからやってきたのか
ビートルズは、西洋音楽の世界に、インド音楽を最初に導入したミュージッシャンとしても功績を残しているが、何故そうなったのか。
この話については、かなり私も知っていた。
3、「ラバーソウル」vs「ペットサウンズ」 伝説の死角を検証する
サイケの走りとなった両アルバムは、どっちがどっちに、どう影響を与えたのか?
4、”ブッチャーカヴァー”回収騒動の真相
数々の写真の分析から、時間的な前後関係を明らかにし、常識のウソを見破った著者の慧眼に敬服。
5、「リボルヴァー」は、どうして“回転式連発銃”なのか?
これも、目から鱗の章だった。一般的には、この風変わりなアルバムのタイトルは、日本公演の際の(過剰)警備にあたった警官が、皆リボルバーを持っていたことから名づけられたと言われているが、真実は?
この章の、著者の研究と分析には、かなりというか、完璧な説得力があり、脱帽だ。
6、「ホワイト・アルバム」限定番号は、世紀のペテンだった!?
これまた、脱帽の章。ローナンバーのホワイト・アルバムがとんでもない価格で取引されているが、実は、この番号は、通し番号ではなく、国別、製造工場別に、適当にナンバーリングされていたという話。これは、ペテンというより、ジョークと呼ぶべきだろう。当時、こんな形で、このナンバリングが重要になるとは、予想されていなかっただろうから。そのおちゃらけでできたナンバーによって、その価値が、千倍は違う。
7、映画「レット・イット・ビー」を巡る謎と推測
確かに、あの映画、特に、アップルビルでの屋上ライブの映像には、謎が多い。この本を読んで、ますます謎が深まった感じ。
8、ビートルズ解散劇の舞台裏
知らない話もたくさんあった。知ってる話も結構あったけど。
ということで、たくさん楽しめる。
その他にもいろいろ小話盛りだくさんで、ビートルズファンは、必読か?