こんにちは。田村隆一郎です。
私は最近、企業診断実習に2つ携わりました。
一つは、診断士2次試験後に行われる、診断実務補習。
これは、診断士協会が行っているもので、私は副指導員として指導を行いました。
もう一つは、中小企業診断士養成課程での診断実務実習。
これは、診断士登録養成課程に通っている人に課せられている実習の指導です。
いずれも、限られた時間の中で企業の分析をし、改善の提言をしなければなりません。
診断士協会の診断実務補習は、企業へ行って調査できる日数が1日だけ。(実質、半日)
養成課程の実習は、企業へ訪問して調査するのは2日。
わずかその日数で、企業の問題や課題を洗い出し、改善提言に結び付けなければなりません。
当然、的を外れた提案や、一般論での提言では企業には受け入れられません。
そのため私は、「総花的な提言」をするのではなく、本当にその企業の課題は何かを見つけて、「ポイントを絞って提言する」ことを指導の方針としています。
わずかな日数なので、企業全体の課題や本質的な問題は、そうそう簡単につかめるものではありません。
しかし、重点的な課題を見つけ、それについてその企業にふさわしい具体的な提言をする。
それによって、企業側も診断を受けたことに満足してくれると思っています。
欲を言えば、もう少し調査できる日数があれば、もっと深い分析が出来るのでしょうが、制度上それを言っても仕方ありません。
そのため、企業にとっての重要な課題をいかにつかめるか。
それが、企業診断をするコンサルタントに求められる能力の一つだと思っています。