15期生の美宅です。
寒暖の差が激しいと思いますが皆さま、風邪などひかれてないでしょうか。
私は喉をやられてしまいました・・・
先日、機会があってざっくりとですが出版業界のことを調べたことがあります(主に書店目線で)。簡単ではありますが現状認識の参考になればと思います。
(書店数)
1999年から2014年の16年で約40%減少 [元データ]
(市場規模)
2001年から2012年の間に、書籍は約14%減少、雑誌は約29%減少、トータルで約23%減少 [元データ]
※「本」という商材の生産、流通、販売が激減している
また、一般的な小売業とは異なる業界の特殊性があります。
(委託販売制度)
書店は、自分で商品を選別し仕入れて売る、という一般的な「商売」の形態ではなく、委託販売制度をとっている。特徴は、「売れなくても○○日以内なら返品可能」「マージンは約23%で固定」など。尚、返品率は約40%と高止まりしている。
(取次システム)
出版社と書店を仲介する卸に相当するのが出版取次。日本では出版流通は取次主導。日販、トーハンが2強。需給調整の機能もある(例えば新刊の書店別配本数を決定、など)。
これらの結果、書店現場は自らリスクをとって仕入れ、何としても売り切る、といういわゆる「商売」ではなく、売れ残ったら期限内に返品すればOKという、在庫リスクは低いが粗利も低い「店頭の場所貸し」となっている。出版流通を考えたとき、書店数の減少は売り場面積の減少を意味するため深刻で、取次はリテールサポートに力を入れている。[参考:トーハンHP リテールサポート]
こういった構造や経緯を知ることで、例えば、
・紀伊国屋書店による『職業としての小説家(村上春樹著)』の初版本9割買い切り
・最近よく見かける売場複合化(カフェや雑貨売場等を併設)
といった取り組みの背景がよく理解できると思います。
特に中小書店は本当に厳しい経営環境にあります。特効薬はありませんが、会社が生き残るためには、①専門分野に特化する、②次の事業の柱を見つける(=事業ドメインを変える)、というのが基本的な選択肢ではないかと思います。中小書店が書店業を中心に生き残っていくのは本当に大変な時代になったと感じます。
私はアマゾンの利用も多いですが、書店も好きでよく行きます。「検索ではたどり着けない本がある」といった趣旨のポスターを掲示しているお店がありましたが、私が書店に行く理由もそこにあります。
店内をぶらぶら歩くと予想もしていなかった本と出合うことがあります。先日はPOPで「マインドフルネス」という言葉を見かけ、何だろう?と思って手に取った本が面白くて購入しました(『グーグルのマインドフルネス革命』)。顕在化していないニーズを刺激されたということだと思っています。
ネットでは基本的に入力したキーワード、購買履歴、各種ランキングなどを起点に、関連しそうなものがオススメ表示されるため、非常に効率的で便利ですが、書店でのアナログな偶然も捨てがたいです。消費者としては上手く住み分けされることを期待します。
※ネット調査だけでなく中小書店店長や元編集者へのヒアリングを踏まえて書いていますが、誤りや偏った見方があるかもしれません。ご指摘ありましたらよろしくお願いします。
寒暖の差が激しいと思いますが皆さま、風邪などひかれてないでしょうか。
私は喉をやられてしまいました・・・
先日、機会があってざっくりとですが出版業界のことを調べたことがあります(主に書店目線で)。簡単ではありますが現状認識の参考になればと思います。
(書店数)
1999年から2014年の16年で約40%減少 [元データ]
(市場規模)
2001年から2012年の間に、書籍は約14%減少、雑誌は約29%減少、トータルで約23%減少 [元データ]
※「本」という商材の生産、流通、販売が激減している
また、一般的な小売業とは異なる業界の特殊性があります。
(委託販売制度)
書店は、自分で商品を選別し仕入れて売る、という一般的な「商売」の形態ではなく、委託販売制度をとっている。特徴は、「売れなくても○○日以内なら返品可能」「マージンは約23%で固定」など。尚、返品率は約40%と高止まりしている。
(取次システム)
出版社と書店を仲介する卸に相当するのが出版取次。日本では出版流通は取次主導。日販、トーハンが2強。需給調整の機能もある(例えば新刊の書店別配本数を決定、など)。
これらの結果、書店現場は自らリスクをとって仕入れ、何としても売り切る、といういわゆる「商売」ではなく、売れ残ったら期限内に返品すればOKという、在庫リスクは低いが粗利も低い「店頭の場所貸し」となっている。出版流通を考えたとき、書店数の減少は売り場面積の減少を意味するため深刻で、取次はリテールサポートに力を入れている。[参考:トーハンHP リテールサポート]
こういった構造や経緯を知ることで、例えば、
・紀伊国屋書店による『職業としての小説家(村上春樹著)』の初版本9割買い切り
・最近よく見かける売場複合化(カフェや雑貨売場等を併設)
といった取り組みの背景がよく理解できると思います。
特に中小書店は本当に厳しい経営環境にあります。特効薬はありませんが、会社が生き残るためには、①専門分野に特化する、②次の事業の柱を見つける(=事業ドメインを変える)、というのが基本的な選択肢ではないかと思います。中小書店が書店業を中心に生き残っていくのは本当に大変な時代になったと感じます。
私はアマゾンの利用も多いですが、書店も好きでよく行きます。「検索ではたどり着けない本がある」といった趣旨のポスターを掲示しているお店がありましたが、私が書店に行く理由もそこにあります。
店内をぶらぶら歩くと予想もしていなかった本と出合うことがあります。先日はPOPで「マインドフルネス」という言葉を見かけ、何だろう?と思って手に取った本が面白くて購入しました(『グーグルのマインドフルネス革命』)。顕在化していないニーズを刺激されたということだと思っています。
ネットでは基本的に入力したキーワード、購買履歴、各種ランキングなどを起点に、関連しそうなものがオススメ表示されるため、非常に効率的で便利ですが、書店でのアナログな偶然も捨てがたいです。消費者としては上手く住み分けされることを期待します。
※ネット調査だけでなく中小書店店長や元編集者へのヒアリングを踏まえて書いていますが、誤りや偏った見方があるかもしれません。ご指摘ありましたらよろしくお願いします。