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箱根駅伝と建築物の品質

2017-01-07 06:00:00 | 16期生のブログリレー

皆様、新年明けましておめでとうございます。塚本洋美です。本年も宜しくお願いいたします。

 さて、今回は、初心にもどり、現在の私の仕事である「建設業」に関する話を、「箱根駅伝」の観点から述べてみたいと思います。

 毎年、正月恒例の「箱根駅伝」では、日々鍛錬を重ねてきた選手たちの頑張る姿に感動を覚える方も多いと思います。なかでも、ギリギリまで選手の体調、コースの状態や当日の気象条件などを総合的に検討・熟考しランナーを選び、戦略を立てる監督は責任重大です。選ばれたランナーは、大きなプレッシャーや出走の喜び・幸せを感じながら、最高の走りをしようと懸命になります。選手全員がそれぞれの役割を果たし無事にゴールできれば最高ですが、アクシデントなどにより大きくタイムロスしたチームはタスキが繋げなくなり、残念な結果で終わります。

 この駅伝競走を見て感じるのは、建築物の品質確保の取組みと、よく似ていることです。オーナーの要求品質に始まり、設計品質→施工品質→使用品質→解体・再資源化品質と品質のタスキを渡していくわけです。

 まず、設計段階では、建築基準法や消防法などの法律を遵守しつつ、オーナーの要求を正しく把握し、さまざまな分野の設計者が関与して技術的検討が加えられ、設計行為が進められます。

次の施工段階では、建設関係者が有機的につながり、予定の工期と費用を守って竣工・引き渡すために、施工計画や建設資材・労務の調達、各種工事の遂行および安全管理などを適切に実施し、高品質のもの作りのための生産行為へと移行します。

そして、竣工・引き渡した建築物は、所有者・利用者が一定のルールに基づいて、日常管理、定期点検、維持保全などを繰り返しつつ、使用・運用行為が行われます。

 すなわち、発注者のタスキを設計者が受け取り、それを建設関係者が受け継ぎ、最後は建築所有者や利用者に繋がれ、それぞれの役割を滞りなく果たせば、人の命や財産を守りことができ、生活や経済活動が達成できます。一方、何処かで粗末な取組みやルール違反があれば、建設活動が滞り、粗悪な建築物が生産され、使用段階でさまざまな問題や事故を引き起こすリスクが高まります。

箱根駅伝のメンバーが毎年変化するように、建築物の設計に携わる先生方や実際に現場で施工する職人さん(28業種ある専門業者が該当)は、その物件のみの構成メンバーとなります。この点が製造業とは大きく異なるところであり、「箱根駅伝とよく似ているな」と思うところです。

 駅伝のような視点・意識を大切に建築物の生産をすれば、品質は向上し、満足な建築物を得ることができるでしょう。これは、日本だからできる特技であると考えられます。

コメント (3)
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