皆さん、こんばんは。
稼プロ!事務局の水口(みなぐち)です。
インフルエンザが猛威を振るっていますね。
私は予防接種を受けていましたが、1月末から、なんとB型に罹患してしまい、会議などの予定はキャンセルに。
関係者の方々にはご迷惑をおかけしました。インフルエンザは、脅威だと改めて痛感した次第です。
皆さんも、どうかお気をつけください。
さて今回は、私が所属している「人を大切にする経営研究会」のメンバーの紹介で、
「ファミリービジネスサーベイ2016を活用したセミナー」(共催:PwC・グロービス経営大学院)に参加しましたので、
そのことを書きたいと思います。
このセミナーでは、大きく2つのパートに分かれており、前半が調査発表、後半が企業経営者の講演・パネルディスカッションでした。
(1)世界50カ国のファミリービジネス企業の経営者を対象とした調査結果の発表
セミナーの前半には、PwCから調査結果についてご説明がありました。
世界50カ国のファミリービジネス企業(以下、FB企業)の経営者が、それ以外の企業と比べた違いについて、
FB企業の経営者を対象にしたアンケート結果は以下のとおりです。
74%・・・確固とした企業文化と価値観を持っている。
72%・・・成功を異なる尺度でとらえ、利益や成長だけで考えない。
71%・・・意思決定が迅速で合理的である。
61%・・・起業家精神に富んでいる。
55%・・・意思決定に際して長期的なアプローチを取る。
このような確固とした企業文化や価値観を持つ企業は、特に日本の老舗企業には多いのですが、
世界各国のFB企業でもこの割合が7割と高いのは、驚きました。
また、短期的な利益を追求せずに長期的な視野で取り組む経営を行う企業が半数以上ありますが、
日本の老舗企業だけでなく、国境を越えたFB企業の共通点なのだと思いました。
(2)株式会社協和の若松専務のご講演
セミナーの後半には、株式会社協和の若松専務のご講演とパネルディスカッションでした。
株式会社協和は、『日本でいちばん大切にしたい会社4』(坂本光司著 あさ出版)にも紹介されている企業で、
障害児用のランドセルを製造しています。また、震災被災地支援として、ランドセルを送る支援活動をしています。
今回は、経営理念や事業承継のことについて講演されました。
<経営理念>
協和の経営理念は4つあります。
その1つ目が「会社は、協和で働くすべての従業員のためにあり、その人たちの幸福を高めることが第一の目的である。・・・」ということ。
何よりも大切なのは従業員であるとのことですが、それを具現化し実行されていることが特筆すべき点でした。
従業員の満足度を高めるために、
① 経営理念を従業員に浸透させて、経営者と従業員で“志”を共有すること。
⇒経営理念を大切に思う人材を採用する、朝礼などで繰り返し話しをする、ことが重要です。
② 社員自身が会社から大事にされていることを感じられるようにすること。
⇒会社は全て情報を明らかにして、隠し事をしない。
③ 全社員は経営トップと繋がっていることを分かってもらうこと。
⇒仕事に従事する環境を整え、能力を最大限に発揮できるようにする。(マズローの欲求5段階説の)承認欲求を満たす。
人を大切にするという経営理念を掲げている企業は非常に多いと思いますが、それを具体的なアクションまでブレークダウンして、
常に実行されていることは素晴らしいですね。
<事業承継>
若松専務は、何十年もの長い間社長と併走して経営をされています。
企業の事業承継で重要なことは、併走期間を長く持つこと。社長の考えを知り、先代に対する尊敬の想いや志を継ぐことが大事とのことです。
一般の老舗企業(多くはFB企業)も、先代の社長の理念・想いが脈々と後継者に受け継がれているのからこそ、今に至っているのだと考えます。
事業承継が大きな課題となって久しい今日、円滑な事業承継をするために、老舗企業から学ばせてもらうことは非常に多い、と改めて思いました。
事務局 水口(16期生)