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リスキリングに格闘中

2021-08-17 12:00:00 | 事務局からのメッセージ
事務局の大井です。

先週の日経に「リスキリング」の連載がありました。恥ずかしながら不勉強でリスキリングって何??と頭の中を???が飛び交ったのですが、何のことないre-skilling、つまり学び直しの意味でした。今、世界の有名企業が取り組んでいるそうです。かのAmazonは、ジェフ・ベゾス氏が「地球上で最高の雇用主」になると目標を掲げ、倉庫作業員などに9カ月間の専門カリキュラムを受講させたとのこと。ソフト開発エンジニアに必要なスキルを身につけてもらい、AWS(クラウドサービス)など最先端の部署で倍の給料を貰うようになったと書かれています。さすがペゾス、ダイナミックですよね。

さて、学び直しの重要性ですが、これは診断士の皆さんには釈迦に説法の話と思います。ただ、これを組織で徹底させるには、相応の大変さがあると感じているところです。私はこの7月に勤務先メーカーが設立したDX専門会社に出向となりました。そこではDX人材育成を重要経営施策の1項目として掲げ、メンバーにあまねく教育機会の提供を始めようとしています。私は組織に浸透させる立場として立上げに関わっていますが、産みの苦しみを味わっています。一番大変なのはマインドセットです。

研修に関して従業員アンケートを取ると、必ず出てくるのが以下の2つ。
・会社が研修の機会を与えてくれないので、知識が身につかいない
・業務が忙しくて、研修に行く余裕がない
「ホンマにそうなん?」と突っ込みたくなりますが、わりと「日本企業あるある」ではないかと思います。

一方で、研修を積極的に受けるのは「1週当たりの労働時間が50-59時間」という層というデータもあり(日経新聞6月16日)、どうも余裕時間があるからといって研修を受けるわけではない、やはり要はやる気という、微妙な状況です。メンバーをその気にさせるのに、アメとムチが必要な香りがプンプンします。さらにDXのように人材の枯渇感が高い分野は、アメだけでは人材育成がとても間に合わない現実もあります。

そこで今取り組んでいるのは、1つは、やる気のある従業員には研修機会を提供し、どんどん参加してもらうという、「アメ」型のアプローチ。そして、研修を業務として明確に定義し、業務調整も行い、プライオリティ最優先にする。最終的には評価や職位に連動させるという「ムチ」型のアプローチです。また、ジョブ型人事を前提に、個々人のキャリアデザインとも関連を持たせて動機付けをするという活動も並行して行います。実は職制管理職の理解度や負担の課題も多く、ここのマインドセットを変える活動も前手で必要です。

私も、対象者と1on1を重ね、意義を伝え、今のスキルレベルと目指すスキルレベルを合意し、受講プログラムをどうするかという作業が終わりました。やはり学びの機会はいつでも貴重で、その重要性を理解してほしいと願いながら進めています。ある種壮大な実験ですが、担当管理職としては、新しいサービスや商品を生み出せる人材が1年後、2年後に出てくるように、頑張りたいと思っています。昨年、稼プロ!で体感した学び直しや、今担当している事務局経験も生きるような気がしています。
コメント (3)
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