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リスクはマイナスだけではない、「プラスのリスク」の話

2021-11-28 12:00:00 | 21期生のブログリレー

皆さん、こんにちは。事務局の宇野毅です。

突然ですが、薬(クスリ)を逆さまから読むと何になるでしょうか?そうです、リスクですね。ちなみに薬には、必ずリスク(=副作用)があるそうです。ただ、近年、そのリスク(=副作用)を利用した薬が発売されており、有名なものとしては、睡眠導入剤のドリエルがあります。これはかぜ薬の眠くなる作用を利用した薬だそうです。リスク=悪だけではないという一例です。

さて、話をビジネスに変えます。ビジネスの中には、さまざまなリスクが存在します。Weblio辞書によると、リスクとは、「将来いずれかの時に起こる不確定な事象とその影響」とされています。何か悪い事が起こる可能性、予想通りにいかない危険、危機が生じる度合いなど、マイナスな事象をさすことが多いと思いますが、今、「プラスのリスク」という概念が注目されています。

これまで、リスクには4つの対応があるとされていました。それは、①受容②回避③低減④共有(移転)です。

①リスクの受容というのは、リスクへの対策を講じないことです。これは、リスクが許容範囲に納まっている場合に適切な対応です。例えば、ある工場で使うネジについて、盗難にあうリスクはありますが、金額が低いので保管容器にカギをかけたり、カウントしたりしないことです。

②リスクの回避は、リスクを「除去」するための活動を行うことです。例えば、小切手には不正使用のリスクがあるとして、使用しないようにすることです。

③リスクの低減というのは、リスクの「重大性を低減」するための活動を行うことです。例えば、地震による損害を最小限にすべく、工場に耐震工事を行うことなどです。

④リスクの共有(移転)は、リスクの一部を他者への移転、もしくは共有する活動を行うことです。例えば、火災へのリスク対応として、建物に火災保険を掛けることなどです。

①から④は全て、リスクをマイナスと捉えた対応です。では、これらに当てはまらない「プラスのリスク」とは、どのような活動(対応)でしょうか?これは、リスクの活用(追及)と言われています。一言で言うと、より高いパフォーマンスを達成するため、より多くのリスクを受け入れる活動を能動的に行うことです。例えば、国内トップシェアをもつ会社が、さらなる成長をめざして海外に販売子会社を設立し、海外市場に参入することなどを指します。

これまで、リスクという言葉には、マイナスの概念があったと思います。いかに回避するか、回避できない場合はいかに低減するか、それが困難な場合は、どのように受容するか、移転するかを考えていました。しかし、VUCAといわれる不確実な現代においては、リスクの活用(追及)という、逆にリスクを積極的に取りに行く概念が新たに提唱されていることを認識しておく必要があるようです。

コメント (3)
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