経営方針書（魔法の書）による人財育成と理念経営

　こんにちは。事務局の宇野毅です。私は４月20日に「人を大切にする経営研究会」の定例会に参加してきました。この研究会では、毎月の定例会で「人を大切にする経営」を実践する企業経営者をお招きし、「経営の要諦」を講演していただいています。
　今回は、栃木県宇都宮市を中心に、美容業など9業種24店舗を運営されているビューティアトリエ総美有限会社の郡司成江社長のお話でした。この会社は、2021年の『日本でいちばん大切にしたい会社大賞 審査員会特別賞』を受賞されています。
　郡司社長は、先代から事業を引き継いで経営者となり、いろいろと悩み抜いた中で、「自社の一番の商品はスタッフである。独自性は人であると言える会社にしよう。」と決意されます。そして、そのためには、人を磨くこと、すなわち、人財育成を経営の大きなテーマとして理念経営を実践されてきました。その基礎(地図)になるのが、経営方針書＝魔法の書と言われるものでした。
　まず、経営方針書の中で共通言語を作り、目的や目標を明確にします。そして、独自の教育プログラム（インプットとアウトプットの両面を備えたもの）で人財育成を図り、日々、仲間ととともに、経営方針書＝魔法の書を実践することで習慣づけていきました。
　郡司社長は、「習慣が今日を創っている。未来も習慣で創られている。そのため、今日からの習慣の積み重ねで未来は変わる。良いことを探せば良いことを見つけやすくなる。何に意識を向けるかで人生は劇的に変わる。」「人間はすぐに忘れる、飽きる、諦めるので、仲間と行動することが重要。『最高の人生・最高の志事(仕事)』を生きるには 『地図』と『コンパス』と『仲間』が必要である。」とおっしゃっていました。
　「これからも仲間とともに100年企業を目指し、ビジョンである、美しい暮らしを通して勇気と可能性をつくり 世界の人を美しい暮らしで幸せにする 『しあわせ創造企業』を実現していきます。」と、郡司社長は締めくくられました。

　東日本大震災（やコロナ禍）を経験して、私たちは、どう生き・どう働くのがよいのかをあらためて考える機会が増えたように思います。その中で、企業経営も「やり方重視」でなく、「あり方重視」に変化してきています。『企業はどうあるべきか』その答えが、まさに『人を大切にする経営』でしょう。企業に大切にされた社員は、働きがいを持った仕事を通して幸せになります。そうした働きがいの結果、会社の好業績が実現されるという正の循環を生み出していくことになると感じます。

※「人を大切にする経営」：企業の目的は、売上利益の追求ではなく、社員とその家族をはじめとしたステークホルダーの幸せの追求であり、売上利益はそのための手段である、という経営の考え方です。事実、このような経営を実践する中小企業には、成熟市場や縮小市場においても業績を伸ばし続けている会社がいくつも存在しています。

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