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内部監査とコンサルティング

2019-12-29 12:00:00 | 19期生のブログリレー

一年を締めくくる日々となってまいりました。
みなさま、仕事納めして家族団らんや親しいお仲間とで充実した時間をお過ごしのことと推察します。
 

第19期生佐々木辰也です。
 
今日のテーマは、「内部監査とコンサルティング」としました。
 
私ごとですが、この年明けから職種が変わり、所属する企業グループの内部監査を務めることになりました。
 
内部監査については、診断士の中にもすでに何年も携わっている諸先輩が多い中で、テーマで触れるのはとても恥ずかしいのですが、直近に独学勉強した内容について自身の頭の整理をすることを兼ねまして書かせていただきます。
 
これまでIT部門にいた私は、監査対象として内部監査を受ける側にいました。
とくに一部上場企業におけるITにはJ-SOXに基づく内部監査というものがあり、これを受けることが多かったです。具体的には、財務諸表に影響するようなITのコントロールがちゃんとしているか、整備状況や運用状況について評価を受けるというのものでした。


そもそも「監査」は、「監査人が、監査対象の行為やその行為の結果としての情報を批判的に検討し、その真実性や妥当性や準拠性等を確かめ、一定の保証を与えるために利害関係者に報告する」という範囲の活動といわれています。
  
一方で「内部監査」は、その名のとおり組織体内で行う監査になるわけですが、IIA(内部監査協会)の定義によると、以下のように記されています。

 「組織体の運営に関し価値を付加しまた改善するために行われる、独立にして客観的なアシュアランス(保証)およびコンサルティング活動である。内部監査は組織体の目標の達成に役立つことにある」

この定義に「コンサルティング活動」とあるように、「内部監査」では監査における点検・評価・報告にとどまらず、是正措置の支援まで行う広い活動ととして定義されています。


では、診断士などの経営コンサルタントが行うような 「コンサルティング活動」との違いはどういったものでしょうか?

違いは大きく2点あると思われます。

一つ目は、助言意見を生み出すプロセスが異なるという点です。

経営コンサルタントが行う活動での助言意見は、コンサルティングの基本プロセス(コンサルティング開始→問題発見→解決策立案→プレゼンテーション)という流れの中で形成されまとめ上げられていきます。

一方で、内部監査における助言意見は、保証意見を形成する監査手続(監査計画→予備調査→本調査→監査報告)と同じ手続に基づいて形成されます。
すなわち、保証意見のみならず助言意見においてもそれを表明するために、意見を形成するに足る合理的な事実を得るための必要かつ十分な監査証拠の収集が必要とされています。つまりは、あくまでも基本機能は保証意見の形成にあって、それを実効あるものにするために助言意見や是正措置の支援があるという建付けであるということです。

 
二つ目は、助言の質への比重と経年性です。

経営コンサルティングは、その多くは組織の運営体の外部からの助言サービスであり、助言の質と内容の責任は負えますが、助言を受け入れて変革のデシジョンや実行を行う責任はクライアント企業側にあります。
したがって、必然的に助言の質と内容を高めることにその活動の比重が高くなります。また、クライアント企業に受け入れられるような工夫や配慮が伴うことも必要となります。

一方、内部監査では、保証活動にとどまらず監査全般を通して見出された問題点に対しては、その改善を是正措置の支援を通じて行うことになります。したがって、助言意見の質にかかわらず、その組織体の内部の活動なので経年的にフォローが可能となります。


年明けから新しく経験する職種が、今後の診断士活動とどのように影響しあうものなのかはまだ見えませんが、同じものを異なる角度からとらえることで、一つの事案が立体的に見えてくるようになるのではないかと期待しています。

 

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (廣瀬達也(19期生))
2020-01-03 11:49:11
内部監査、最近自組織内で強化している企業が増えている印象です。今のご時世では攻めるため(業種によっては入札などの条件とか)にも守る(マスコミや風評から守るとか)ためにも大切そうなセクションですね。

「CIA(Certified Internal Auditor)」取得とかされそう・・・(^_-)-☆。また、いろいろお話聞かせて下さい。
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Unknown (佐々木辰也)
2020-01-01 10:06:08
森さん
いつもコメントありがとうございます。
「やってもらう」という共通点ですね。内部監査の方はある程度の強制力があるので油断してました。
結局のところ、やるのは人。人の気持ちにアプローチできなければ、ただのウザい評論に過ぎなくなってしまいますよね。
説得のスキル向上の必要性を感じました。ありがとうございました!
返信する
Unknown (森(宏))
2019-12-30 21:55:43
内部監査と言えば、受ける側としては「何を絵空事を」「もっともだが今の体制では無理」とかすぐに思ってしまいます。
それを対象部門に納得させ行動させるのはなかなか大変な業務だなと思います。
結局行動させてナンボというところでは、診断士と目指すところは同じだと思うので、きっとシナジーがあるのではないでしょうか。
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