東京都中小企業診断士協会中央支部認定!「稼げる ! プロコン育成塾」ブログ

東京都中小企業診断士協会中央支部認定マスターコース「稼げる!プロコン育成塾」のブログ。経営・ビジネスに役立つ情報を発信

知財戦略を活用するメリット

2019-10-16 12:00:00 | 19期生のブログリレー
 皆さん こんにちは。
19期生の城戸啓介です。

 3連休は大型台風にラグビーにと、さまざまな出来事がありました。
台風により被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

 そんななか、私は、連休最終日(10/14)に、診断士の資格更新要件のひとつ
である理論政策更新研修を受講してきました。
本日のブログでは、今回の受講で得た気付きについて書いてみたいと思います。
私は、毎年1回受講していて、協会のホームページを見ながら、自身のスケジュール
と見比べつつ、日時と受講テーマを選択しています。
今回は、定番の「新しい中小企業政策について」に加えて、
敢えて普段接することのないテーマ「中小企業の知財戦略」を選択してみました。
普段、あまり接点がないテーマを選択することによって、新たな知見・刺激を得ら
れるかもしれないという淡い期待を込めて受講しました。
結果、興味深い気付きを得ることができました。
(すでにご存じの方にとっては、ごく当たり前の内容かと思いますので、
 その際は読み飛ばしてくださいませ。)

 一般的に、自社の知的財産を権利化するメリットとして、市場への競合他社の
参入を防ぎ、市場における優位性を確保するという点が挙げられると思います。
ただ、とりわけ中小企業においては、知的財産に関する活動を行うメリットは
それだけに留まらず、実は、以下のようなことがメリットになっているとのこと
です。

▼世界への情報発信
特許を出願することによって、世界中に自社の技術を発信することができる。
そのことによって、新たな取引先やパートナーを開拓することにつながる。
また、取引先との“交渉力”を強化することができ、取引先やパートナーに
“自社と組む理由”を示すことができる。
(最低限、出願するだけであれば、出願料は14,000円。)

▼メディアを通じた宣伝・PR
知的財産を活用することにより“世界初”と謳うことができる。
(知的財産を権利化できたということは、イコール“世界初”の取組みと言える。)
“世界初”はメディア受けが良いため、テレビやラジオで紹介されやすい。
そうすると、広告費をかけずとも、メディアを通じて自社のPRを行うことができる。

▼社内における組織の活性化
社内で知的財産に関する勉強会や発表会を行うことによって、従業員のモチベー
ションアップ、創意工夫の促進につながる。延いては、組織全体の活性化が図れる。

 私の印象に残ったのは以上のような内容でした。
本来の目的である、市場における優位性の確保はもちろん重要ですが、
それと同等以上に、上記のようなメリットや効果も充分考慮に値すると思います。
実際、近年、特許の出願件数に占める中小企業の割合は上昇傾向にあるとのこと
です。
また、診断士にとっても、中小企業に対するコンサルティングの差別化として、
上記のような視点をうまく活用することができるかと思います。

 年1回の理論政策更新研修ですが、敢えて、普段なじみのないテーマを選択して
みるのも、新たな気付き・発見を得られるいい機会になるかもしれません。
よろしければ、皆様も試してみてはいかがでしょうか?

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ファクトフルネス

2019-10-15 12:00:00 | 19期生のブログリレー
こんにちは。稼プロ!19期の太田一宏です。
台風19号は東日本を中心に大きな被害をもたらしました。
被災された方へは改めてお見舞い申し上げます。

さて、自然災害を前にして、これまでは大丈夫だっから、などどいう
「先入観」や「固定観念」に基づいた行動は戒められます。
それと似たようなことが、災害のとき以外の判断にも不可欠、
そんなことが記されている本「ファクトフルネス」を先日読みました。
著者はハンス・ロスリングというスウェーデン出身のお医者さんです。
彼は、アフリカで病気の治療に関わり、最新の治療法が科学的知識の不足や言い伝えによって拒まれる経験を経て、
事実認識の大切さと難しさについて考えるようになりました。
そんな思い込みがあるのは病気の治療法に限られたことではありません。
社会の傾向やできごとを思い込みに影響されて判断したり、解釈したりするのは、
我々にも、また、一般的に有識者と呼ばれている方々にも共通の傾向である、
と考えるに至りました。
そう考えるに至った契機が「チンパンジーテスト」と呼ばれているテストです。
その第一問が、
「現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?」
という三択問題です。
答えを記すと営業妨害になってしまいますので、やめておきますが、
事実よりもぐっ低い選択肢を選ぶのが、共通の傾向だそうです。
このような質問が12問セットで示されます。
全て三択ですので、鉛筆を転がしても平均約3割が正解できそうですが、実際は1割前後。
正しい情報に接する機会が十分にある政治家でも同様な傾向だそうです。
チンパンジーでも3割は正解できるはずなのに、たった1割という意味で、
「チンパンジーテスト」と名付けられたそうです。
そんな思い込みや先入観から逃れるの方法を、著者は10のルールにまとめて示しています。
極端な事例に引っ張られず多数の人はどうなのかを知る(分断本能を抑えるには)、
リスクにおびえないで確率や影響度を計算しよう(恐怖本能を抑えるには)、
などです。
私はその中から、特に、パターン化本能を抑える=分類を疑ってみる、に注目をしたいと考えます。
ビッグデータが入手でき、また高速コンピューターで処理もできるようになりましたが、
大量のデータから適切な行動を導くには、データの解釈が必要です。
その解釈を助けるのが「分類」、だと私は考えています。
そこには、平均、ばらつき、相関といった統計学の教科書のようなプロセスとともに、
実際のビジネスに用いるには、現場の知識からみてどうか、ということや
考えうるアクションが現実的かどうか、という側面も欠かせません。
分類の仕方で、その後のビジネスの趨勢が変わるといっても過言ではないと思っています。
私が持っている古い統計の本にも、一番最初にグループ化のことが記されています。
ファクトフルネスは温故知新の名著です。

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DX

2019-10-14 12:00:00 | 19期生のブログリレー
 事務局の佐々木晋です。こんにちは。台風19号は想像以上に激しかったですね。私のオフィスは川崎に近いので、多摩川や鶴見川沿いに住んでいる課のメンバーも多く、とても心配でした。報道によると越水で被害にあわれた方も多いそうです。お見舞い申し上げると共に、少しでも早く復旧できることを願っています。

 私の会社での取引先はアメリカの大手ITなのですが、つい先日証券アナリスト向けの説明会を行ないました。この説明会ではCEO以下各事業の責任者が、直近の事業状況から将来の構想まで説明しアナリストからの質問に応じます。この説明は私の事業部にとっても非常に重要なので、アライアンスを担当する私の部門は、内容を要約して事業部内に伝えます。説明会の様子はホームページに動画で公開されているのですが、全部で4時間ありますのでこれを全て英語で聞いて日本語で要約するのは一苦労です。

 そこで今回初めて字幕起こしアプリで英語のトランスクリプトを作成し、翻訳アプリで日本語に訳してみました。各アプリはクラウド上のAIで日々進化している(と思われる)のですが、英語字幕起こしの精度は80%ぐらい、日本語訳は3-40%ぐらいでした。従って人による手直しがある程度必要でしたが、ゼロから作業を行うよりはだいぶ楽でした。

 DX(Digital Transformation)という言葉が話題になってしばらく経ちますが、皆さんの仕事ではどれくらい影響がありますか?私は最近この分野に関心が高いので、RPAやAIをはじめ社内でチャンスあれば積極的に関わろうと思っています。実際に使ってみると今回のようにまだまだなところもありますが、近い将来DX的な仕事の進め方が当たり前になることを想像すると、まずは取り組むことに意義があると考えています。また、DXで実現出来ることを想像するとワクワク感が高まるので、自分も含めチームのモチベーション向上にも有効だと感じています。皆さんも何か成功事例等がありましたら是非教えて下さい。

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イノベーション・マネジメントシステムの標準化

2019-10-13 12:00:00 | 19期生のブログリレー
 19期生の遠藤孔仁です。台風19号が通過するなか、このブログを書いております。被害が大きくならないことをお祈りいたします。

 さて、最近、「えっ」と思うニュースを目にしました。それは、イノベーション・マネジメントシステムが国際規格(ISO)として発行されたというものです。
 マネジメントシステムといえば、品質マネジメントシステム(ISO9000)、環境マネジメントシステム(ISO14000) をはじめとして、様々なマネジメントシステムの規格が発行されております。その流れからすれば、そうか、ついにイノベーションも国際規格となったのか、とスルーしそうになりました。次の瞬間、いや、ちょっと待てよ。イノベーションだよなぁ。標準化とは一番遠い世界のものではないかと。すこしカオスの頭の中を整理するために、イノベーション・マネジメントシステムなるものを調べてみましたので、簡単ですが、ご紹介したいと思います。

 2019年7月に発行された国際規格は、ISO56002「イノベーション・マネジメント-イノベーション・マネジメントシステム-手引」となります。これは、ISO9001やISO14001のような認証規格ではなく、イノベーションに関するベストプラクティスから抽出したマネジメントシステムのガイダンスという位置づけとなります。
 イノベーションでイメージするのは、ベンチャーのようなスタートアップ企業が独自のアイデアをもとに試行錯誤と偶然が重層化し、生み出されるものというものが一般的かと思います。一方で、既存企業におけるイノベーションの事例はいくつかあるものの、既存企業においてイノベーションを生み出すことは難しいということは世界各国の共通課題としてありました。そうした問題意識のもと、世界59カ国により規格設計が行われ、2019年に産業史上初のイノベーション・マネジメントシステムの国際規格が発行されました。
 そのため、この規格は新規事業を生み出すためのマネジメントシステムという理解すると腑に落ちるものに思えます。

 ISO56002の規格の構成は、他のマネジメントシステムの構成を踏襲していて、次のようになっております。
 【0】 : 序文
 【1】 : 適用範囲
 【2】 : 引用規格
 【3】 : 用語及び定義
 【4】 : 組織の状況
 【5】 : リーダーシップ
 【6】 : 計画
 【7】 : 支援体制
 【8】 : 活動 : イノベーション活動を5段階の非線形(non-liner)の活動と定義。
  1. 機会の特定
  2. コンセプトの創造
  3. コンセプトの検証
  4. ソリューションの開発
  5. ソリューションの導入
 【9】 : パフォーマンス評価
 【10】: 改善

出典:「日本企業における価値創造マネジメントに関する行動指針」(経済産業省)

 日本国内においては、大企業・中堅企業のイノベーションを支援するアクセラレーターとして、一般社団法人Japan Innovation Networkが、イノベーション経営の普及、実践、基盤整備を活動を担っております。

 この流れは、今までクローズ志向であった大企業が、イノベーションを生み出すために、規模に関係なく連携し、価値を創造するといった新しい機会を創造するものにも思え、もう少しこの動きを追いかけてみたいと思います。
以上
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夢見るチョコレート工房~障がい者たちに働く喜びを~

2019-10-12 12:00:00 | 19期生のブログリレー
皆さん、こんにちは。19期生の宇野毅です。今回は、10月9日(水)の「人を大切にする経営研究会」で行われた『一般社団法人AOHチョコレート工房ショコラボ』伊藤紀幸代表のお話を紹介したいと思います。
このAOHは、「第9回 日本で一番大切にしたい会社大賞」実行委員会特別賞を受賞された会社で、従業員60名中40名が障がいのある方です。

伊藤さんがショコラボを立ち上げることになった原点は、障がい者として生まれてきたお子様が小学校に入学する際に、校長先生から「残酷ですが現実を直視してください。お子さんは就職できない。できても月給3千円です。」と言われたことです。
伊藤さんは優秀な銀行員としてバリバリ仕事をされていましたが、お子様のそばにもっと居る時間が作れる仕事に就こうと35歳の時に転職します。しばらくは一緒の楽しい時間を過ごしましたが、その後、息子さんのために精一杯働いてお金を残さねばならないと考え、外資系の会社に転職されました。
その会社でも成果を上げ要職に就いていましたが、ある時、伊藤さんは日経新聞でヤマト運輸の小倉昌男さんの「私の履歴書」を読みます。その中には、私財を投げうって福祉社会の実現を進める小倉さんの姿があったそうです。それに感銘を受け、自分の家族だけでなく、広く障がい者の方々の雇用の場を創出することを目指して独立を決心されました。
自らの運命的所与を肯定的に捉え、障がい者が働き、生きやすい環境づくりのため、自分が安心して死ねるため、また、障がい者の方々・ご親族のために、障がい者の方々のQuality of Lifeに焦点をあてようと考えられたのです。

「では、どんな商売をしようか」と悩んだ伊藤さんは、「頭で考えたビジネスはことごとく失敗した。心で感じたビジネスはことごとく成功した。」というワタミの渡邊美樹さんの言葉に動かされたそうです。どんな商売でも心からやりたいと思うことを凡事徹底やり続けること、「何をやるか」よりも「思いを持って誰とやるか」が重要であると、伊藤さんは強く語っておられました。
その後、「好きなチョコレートを一生の仕事にしたら」という奥様の言葉もあり、7年前に現在のショコラボを設立されました。
ショコラボの企業理念は、「あらゆる人々を平等に尊重し、障がい者・高齢者・健常者が共生するコミュニティを作り、関与する全ての人々が物心両面の豊かさを感じられる仕組みづくりで社会に貢献すること」です。
また、AOH(エイオーエイチ)の意味は、以下の5つのAOHを目指したいという自分たちのミッションであると語っておられました。
Assist of Happiness(幸福の支援)
Assist of Humanity(人間性の支援)
Assist of Harmony(社会との調和の支援)
Assist of Heart(心の支援)
Assist of Health(健康の支援)
※これらは、HelpではなくあくまでもAssist であるとのことです。

伊藤さんは、「障がい者の工賃アップにより、ノーマライゼーション(障害のある人が障害のない人と同等に生活し、ともに生き生きと活動できる社会)を目指す。その実証的な場となる事業展開をすることで働く人々、関与する人々、消費する人々に夢と希望を与えたい」という強い思いをもって経営されています。
チョコレートは夏に売れない商材のため、障がい者の皆さんにまだまだ目標の工賃は払えていないそうですが、自分は何のために生きるのか、本当に何がしたいのか、何を残したいのか、そのような普遍的な人生観を考えさせられる、素晴らしいお話でした。
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