Stuff / Bill Wyman (1992)
ビル・ワイマン(Bill Wyman)がソロ名義で出した(今のところ)最後のアルバム。92年というとストーンズ(The Rolling Stones)は復活ツアー(アーバン・ジャングル・ツアー)が終了し、ライヴ・アルバム「Flashpoint」を発表し、シングルのプロモ・ビデオにビルの姿が見えなかったのでいろいろな憶測(脱退か、とか)が飛び交った頃かな。自分の記憶が確かならば、当時は日本でだけの発売だったと思う。どこのレコード会社からも声がかからなかったのだろうか。ビルはこの後結局本当に脱退してしまう。
一聴して彼らしい不思議なヴォーカル・スタイルで、エレクトロ・ポップとでも言うべきアルバム。彼のソロはいつもこういった飄々とした雰囲気があり、女性コーラスやシンセも多用する独特なもの。70年代からそうなので一貫していると言えば一貫している。ベース・ギタリストなのに「らしい」曲が全然ないのも彼らしい。のちに「ブルース・オデッセイ(Blues Odyssey)」なんてDVDを出す位だから、もっとブルース・ルーツの曲を作ってもよさそうだけれど、それもなぜか無い。キース(Keith Richards)じゃあるまいし、黒人ブルースにそこまで思い入れがあったのかと知った時の方が意外だった。あ、でもハウリン・ウルフ(Howlin' Wolf)とやったりしてるか、そういえば。このアルバムも80年代テイストがたっぷりでまさにビル・ワイマンの世界。
アルバムとしては、現ストーンズ・バンマスのチャック(Chuck Leavell)やミック経由のエレクトリック・ブレーンとでも言うべきマット・クリフォード(Matt Clifford)、英国ベテランミュージシャン御用達のレイ・クーパー(Ray Cooper)、そしてお馴染みニッキー・ホプキンス(Nicky Hopkins)などが参加しているので、ストーンズ・ファンにとっても聴き逃せない(←今まで聞き逃していたんだけれど…)。
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