Psycho's Path / John Lydon (1997)
意外にもジョン・ライドン(John Lydon)名義では初のソロ・アルバム。発表当時はあまり評判が良くなかった(←今もか)。自分は基本的にジョンのヴォーカルが入っていればOKな盲目的なファンなので何とも思わなかったが、ちょうどセックス・ピストルズ(The Sex Pistols)再結成・ツアーの騒動の賛否両論の最中だったので、この変わりようをどう受け止めたらいいのか戸惑った人が多かったのではないか。実際はかなり前から録音を始めていたようだし、ピストルズ興行を間に入れてしまったということなんだろう。ジョニーが「金のため」と言うんだから仕方がない(笑)。ただ実際は他のメンバーの経済的救済という側面があったのではないかという気がしている。
聴いてまず前半はヴォーカル・スタイルがそれまでとやや異なることに気付く。発声のしかたも今までと違う。もちろん所々には彼特有の叫びも入るんだけれど、全体的に抑えた表現が多い。そのため前半は暗い雰囲気が強く、とっつきにくいかもしれない。
歌詞は彼らしいシニカルなものが多い。彼のイメージからいくと皮肉や嫌味が多い感じがするかもしれないが、実際には彼の独自視点による鋭い社会描写や風刺が多い。
みんなが期待するのは評判だった94年のレフトフィールド(Leftfield)とのコラボのようなダンス・ミュージック・スタイルだったんだろう。6や9なんかはそんな感じ。後半は割とPILでやっていたようなヴォーカル・スタイルの曲が多く安心して(?)聴けるかも。個人的には後半になるにつれ面白味に欠けていってしまう印象。これならPIL名義でもなんでも関係ないじゃない。実際に名義がジョン個人でなくても気付かないだろう。ただジョン本人は名義なんてもの何とも思っちゃいないかもしれない。今はまたPILで活動中。
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