#1 / シーナ&ザ・ロケッツ (1979)
80年代後半頃には中古レコード店で結構な値段が付いてディスプレイされていたと記憶するシーナ&ザ・ロケッツのファースト・アルバム。自分はアルファ移籍後の「真空パック」の方を永らくファースト・アルバムだと思っていて、東京の中古レコード店で飾られているのを見て初めて「その前」があったと知った次第。サンハウスの事なんか当時全然知らなかったしね。
そのファーストのCD化。まだシーナの声が初々しく、ポップで活きのいいロックンロールが堪能出来る。柴山俊之共作のサンハウス時代からそのまま持ってきた曲も多く、代表曲のひとつとなった「レモン・ティー」も元々はサンハウス時代の曲。ヴォーカルがシーナに変わる事でよりポップなイメージになって、曲も声の低いシーナにはぴったり。ブルース・マナーに則ったダブル・ミーニングな歌詞も、ヤードバーズ(The Yardbirds)由来の曲もいつ聴いても、どのヴァージョンでもかっこいい。
ライヴを見に行くようになった80年代後半はまださほど感じなかったんだけれど、その後シーナの歌い方に変化が出て、へんな抑揚をつけたり、シャウトが耳障りだったりするようになり、個人的にあまり好きな感じの声ではなくなってしまった。もともと声域が狭いから声を潰したんだと思うんだけれど、それからあまり聴かなくなってしまった。だからこのアルバムでのシーナはよけいに新鮮だったな。
余談だけれど当時下北沢に住んでいたのでよく鮎川誠・シーナ夫妻を見かけた。あんなカッコイイ夫婦いない。鮎川誠がひとりでTシャツ、サンダル履きで自転車に乗ってフラッとコーヒー買いに行くところとかも。ふつうのオヤジがやったらカッコ悪いのに鮎川誠がやるとカッコイイんだ、これが。もう、立ち止まってポカーンと見ちゃうんですよ、あまりのカッコ良さに。男が男を(笑)。そっちの気はなくとも多分目がハートになってたな…。
中古店にて購入(¥735)