Pretty Hate Machine (2010 Remaster) / Nine Inch Nails (2010)
ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)のデビュー・アルバムのリマスター。ジャケも新装で、透明なスリップケースに入ったデジパック仕様。ボーナス・トラックは最後に1曲で、ライヴでもおなじみのクイーン(Queen)のカヴァー「Get Down, Make Love」が収録されている。元々のアルバムは89年発売で、まだ打込みの音とかはあの時代のままピコピコと「エレクトリック・ポップ」しているので、そのあたりをもっと現代風に作り替えたというコンセプトだろうか。ただ音の感触は違えど曲をいじってある訳ではなさそうなのであまり違和感はない。
前半は怒涛の名曲ぞろい。ただ前半に勢いのある曲が偏っているのでアルバムとしてのバランスはいまいちに感じるかも。自分は80年代らしいポップな音も大好きなので愛聴した。ただ本格的に聴きだしたのは次作「Broken」からなので少し後追いだったけれど。
当時からライヴ・アクトではハードだったのに、気に入ってCDを買うと、そこではエレクトリック・ポップなのでギャップがあり、アメリカの聴衆にはなかなか受け入れられなかった、とインタヴューで答えていた記憶がある。それでもこのアルバムの中にはライヴ・キャリアを通じて外せない1、2、3、5、7、11が収録されているし、それらの曲をライヴ演奏する場合はバンド晩年までほとんどアレンジを変えていないのでトレント(Trent Raznor)にとっても重要度は変わらないんだろう。
PVも過激で、シングル発売された3や7は放送禁止になったはず。のちにVHSで発売され、日本盤は発売されなかったPV集「Closure」に収録されている(現在amazonにあがっているDVDはブラジル製との噂…)。内容から(つまりいろいろと丸見えなので…)日本盤が発売されなかったのは仕方がないが、これをシドニーのレコード屋「Red Eye Records」で見つけた時はうれしかったなぁ。
オークションにて購入(¥698)