岐阜市の忠節橋通り沿いにある大正12(1923)年創業という歴史ある麺類食堂「太田屋本店」。少し寂れたアーケード商店街にあって、駐車場は無いようなので、近くのコインパーキングに車を停める。店の前を歩いて通った時の佇まいが素晴しく、(おそらく)夏用の白い暖簾が美しい。扉がアルミサッシだったのがちょっと残念だけれど、風情ある店に入ってみた。
店の中は目前の土間にテーブルがひとつ、右に小上がり、奥が座敷となっている。でも座敷と言ってもごく普通の応接間。ひとん家におじゃました感が強い(笑)。10年や20年では出すことの出来ない枯れた雰囲気が素晴しい。厨房は左側にあるが囲ってあるので、中は窺い知ることが出来ない。店内にはなぜか漫画本がとてもたくさん置いてある。壁にはたくさんの品書きが貼られていて、ご飯ものも「志の田丼」や「木の葉丼」がしっかりあって、中部地方の麺類食堂の典型的な品揃え。でもこんな店が少なくなってきている。迷った中から天ぷらうどんを注文してしばし待つ。
しばらくして丼が運ばれた。白醤油が使われているだろうか、つゆは薄い色をしていて、麺は柔めの茹で加減。天ぷらは揚げ置きだと思われるが、麺はつるつるっとした喉越しで、やさしいうどんだった。ここ、なんだか落ち着くなァ。冬にはやっぱり味噌煮込みうどんかな。(勘定は¥450)
太田屋本店
岐阜県岐阜市真砂町9-6
(太田屋 大田屋本店 おおたやほんてん)