その昔、若かりし頃、岐阜駅近くのこの店の前を通ると(まだ近くにパルコとかがあった時代ね)、もうもうと煙を吐き出す店で昼間から酒を飲んでいるオヤジ達の姿が見えて、「しょうがねぇなぁ、大人は…」と思っていたのだが、とうとう自分も晴れて、その「しょうがねぇ大人」になることが出来ました(笑)。それがJR岐阜駅や名鉄岐阜駅からも歩いてすぐのホルモン・串焼きの店「水谷」。
まだ日が高く暑いこの日、平日の午後2時過ぎにフリーになるという珍しい展開に、迷わずここへ向かった。昔のイメージが強いのでもっと古めかしい店だったと記憶していたが、店舗は改装(改築)されているようで、綺麗な3階建のビル。西日どころか、まだお天道様は高く、日差しがきついが、すでに歩道に簡易テーブルと椅子がはみ出して、一杯やっている人達多数。店の中は満員だったので、自分も常連さんに少しスペースを空けてもらい、店先の歩道にはみ出た丸椅子に腰を下ろした。
とりあえず暑いのでビールを注文。歩道に堂々と置かれたでかいクーラーボックスのような入れ物からキリンの瓶ビールが運ばれる。焼き台の前の自分のところからは品書きが見えないので、適当にとん焼と、きも焼を2本づつ注文。お姉さんによって目の前で焼かれて渡された。こちらの串はどれもしっかりとした大きさと新鮮さがあって旨い。特にきもは質がいい。タレは濃いめ、甘めだが、冷たいビールで流し込むと最高。他に何をつまもうか迷っていると、とても気の付く、やさしい笑顔の女将さんがちょくちょく「〇〇もう食べた?持ってこか?」と声をかけてくれ、ねぎまや心臓、砂肝を追加。飲み物も日本酒(菊川)に切り替える。冷や(常温)や燗はもちろん、冷蔵も用意してあったので、いろいろ温度を変えて呑んでみた。あぁ、旨いなァ。旨い酒って銘柄だけじゃないんだよね。
自分の近くに座っていらっしゃった常連の方々お二人とも、自然に世間話になり、のんびりした昼酒のいい空気になっていった。その間にも、若いのから、女性おひとり様から、お歳を召した方から、外国人まで、次々と客が入れ替わっていく。席が足りなくなれば、お姉さんが、ちょっと待ってね、とチャチャッと歩道にビールケースとベニヤ板の簡易テーブルを増やすだけ(笑)。みんなでおのずと譲り合ってスペースを作っていくのは歴史を重ねた店ならでは。分からない事は全部、店の人と周りの客がやさしく教えてくれる素晴しい雰囲気だった。
居心地の良さに、ひとり呑みの時には珍しく多めの注文。この後も、もも、ぽんじり、皮、それに女将さんに適当に選んできてもらったおでんをつまみ、杯を重ねた。それでも40分位で席を立ち、お勘定をしてもらう。まだまだ汗がダラダラと流れるくらい暑いが、いい気分。次に平日休みを取れる日はいつだろうか…。(勘定は¥3,000程)
水谷本店
岐阜県岐阜市長住町4-2
(水谷本店 ホルモン水谷 ホルモン水谷本店 炭火水谷 炭火水谷本店 水谷ホルモン )