まだ明るく暑い平日の午後5時。名古屋駅近くのオフィス・ビルで仕事の用事を済ませ、解放された時間。近辺は6時開店の店が多いので、まず喉を潤すといったらココでしょ。名駅(名古屋駅)から歩いて5~10分ほどの道路端。どてや串カツを喰わせる店が何軒も(うち一軒はすでに閉店)並ぶところ。短い通りだけれど名前付いてるのかな。その中でも独特な客あしらいで知られる「のんき屋」。昭和29(1954)年創業とか。店の前に行くとすでに店先で立って呑んでいる人がいる。うらやましい。狭い店だけにいつも満員で、入れず振られた事も数多い(近くに他の店があるからいいんだけれど)。だが、この日は珍しく、まだ中に余裕があったようで、暖簾をくぐるとすぐ前のテーブルに着席することが出来た(もちろん相席です)。
いつになく余裕をもって瓶ビールを注文。普段なら日本酒でいくところだが、この日も暑かった。アサヒ、キリン、サッポロから選べるということで、サッポロを注文。グイッとやる前に、とんやき、きもやきを2本づつ「てり(=たれ)」で注文しておいた。すぐに若い店員がビールを運んでくれ、冷たいのを一杯。そして、すかさず焼き場からとんやきと、きもやきが運ばれる。どちらも大きさは小さいが、この状況(暑さ、解放感、着席)で旨くないわけがないっ。途中でテーブルに置かれた生キャベツをつまみつつ、あっという間に胃の中に運ばれたので、追加で心臓と串カツをオカアサンに注文。
ここのオカアサン、ちょっとおっかない人と思われているが、注文さえ的確にすれば問題ない(笑)。最近みんなチェーン店店員のバカ丁寧な対応に慣れてしまったのか、こういう店の接客にいろいろ言うけれど、ちょっと前まではこのオカアサンくらいの対応は珍しくなかったと思う。だから社会人になりたてみたいな若い衆は、上の人に連れてきてもらうか、こういう店にはあまり行かなかったんじゃないかな。もちろん全然自分に合わない店員っているもんだし、自分も齢四十を越えてやっとこういう店に平常心で行けるようになったんだけれど(笑)。
この日は最初から腰を落ち着けて飲むつもりではなかったので(もちろんそんな店でもないか)、これだけで終了。放っておかれるっていいものだ。オカアサンに勘定をお願いしてサッと店を出た。店を出てもまだ日が高い。なんと気分のいいことよ。(勘定は¥1,500程)
愛知県名古屋市西区名駅2-18-6
(のんきや)