岐阜駅から長良橋通りを北上し、岐阜市役所を越え、伊奈波神社参道手前の道路沿いにある「丸市屋」。季節になると「みょうがぼち」のノボリが立てられる。みょうがぼちとは岐阜の郷土菓子で、小麦粉の皮の中に空豆の餡が入り、みょうがの葉でくるまれた饅頭とのこと。「ぼち(もち)」と言っておきながら餅菓子ではない。他でも「みょうがぼち」という名前は見かけるし、昔から名前は知っていた。この店の前の道はたまに自動車で通ることがあるのだが、食べる機会がなく、シーズンになったので今年こそ、とお店に行ってみた。
近くに駐車場らしきものは見当たらなかったので、少しの間だけ路肩に車を停め店へ。小さなお店だが歴史は古いのかな? 饅頭などのお菓子類はガラスのショーケースに入って店頭で販売していて、店の右側はイートインのスペース。ここではお好み焼き(岐阜特有?の薄焼き←いつかこれについても書いてみよう)や焼きそばなどが食べられるようだ。車も心配なので、とりあえずささっとみょうがぼちをいくつか購入。家に持ち帰って食べてみた。
皮は手作り感溢れるもの。表面がつるんとしていて、やや黄色みを帯びていて、上手く例えられないが、硬めで手作りの肉まんの皮のよう。中の空豆の餡は甘味控えめ。ぎっしりと入っていて素朴な味で旨い。みょうがの葉自体はそれほど和菓子に風味を与えるような香りとは思えず、どちらかというと雑草っぽい青臭い香り。みょうがの葉は大きくなるので、包むのに便利だったのだろうか。それとも保存などの効能があるのだろうか。この時期に豊富に手に入る材料で、農作業の合間などに食べたおやつだったというのがよく分かる。(勘定は¥135/個)
※2016年12月をもって閉店されたそうです。
岐阜県岐阜市泉町4丁目
(丸市屋小川商店 まるいちや まるいちやおがわしょうてん みょうがぼち)