以前から行きたいと思ってなかなかチャンスが無かった名駅(名古屋駅)前のビル4階にあるロシア料理の「ロゴスキー」。日本で初めてのロシア料理店として昭和26年(1951)に現主人の叔母が開業した「渋谷ロゴスキー」の暖簾分けで、現主人の父(創業者の弟)が名古屋に店を開いたとのこと。こちらの創業は昭和38年(1963)だとか。日本人にも馴染み易いように選ばれた料理は創業当時のままのものも多いらしい。エレベーターでビルの4階に上がっていくと、そこがすぐに店。この日店内は女性がほとんどで、ほぼ満員の盛況。席に案内してもらい、事前に階下に書いてあったメニューの中から「Aセット」を選んだ。給仕の女性が奥様かどうか知らないが、割烹着を着てとても家庭的な雰囲気。レンガ壁にいろんな小物が飾ってあり、雑然とはしているが落ち着いたクラシックな雰囲気。でも「食堂」といった親しみ易さがある。
しばらく待っていると、まずパンが2種用意され、すぐにボルシチが運ばれた。ビーツが入ったボルシチは酸味がしっかりしていて旨い。いわゆるロシア料理の経験が無いのでこれが実際のボルシチと比べてどうなのかは分からないが素朴で飲み易い。人参のパンと、少し硬めのライ麦のパンをつまみつつ、次に運ばれたピロシキを口に運ぶ。皿には酢漬けも少々。ひき肉と玉ねぎが入ったピロシキは熱々。味付けはシンプルかつ薄めで重くない。添えられたカラシをちょっと付けたりしていただいた。最後は「つぼ焼ききのこ」と名付けられたパイ生地のポットシチュー。生地をスプーンで割り、中のクリームシチューをすくって生地と合わせたりして口の中へ。こちらも味付けはシンプル。あっという間に全部平らげた。勘定をしてもらおうとレジに向かうと壁に「ありがとう」の垂れ幕が。最初は何のことか分からなかったが、何と3月でビルの建替えを機に店を閉めるのだそうだ。遅かったと言うべきか、間に合ったと言うべきか…。ぜひ夜も単品で食べてみたいのだが、それまでに来る事が出来るだろうか…。(勘定は¥1,700)
※2016年3月を以って閉店されました
↓ いつ前を通っても、つい毎回写真を撮ってしまう丸ノ内の奇跡の並び、創業が宝暦8年(1758)という「伊勢久株式会社」(昭和5年・1930・建造)と「愛知県庁大津橋分室(旧・愛知県信用組合連合会会館)」(昭和8年・1933・建造)。天気が良過ぎてコントラストがきつい…。
ロシア料理 ロゴスキー
名古屋市中村区名駅4-5-19 第5堀内ビル 4F
( 名古屋 名駅 めいえき 露西亜料理 ロシア料理 ロゴスキー 渋谷ロゴスキー 渋谷ロゴスキー銀座本店 ボルシチ ピロシキ )