洋食の老舗「資生堂パーラー」の名古屋店。店は名古屋駅のJRセントラルタワーズ12階のレストラン・フロアーにあり、昼時にエレベーターを降りると、いつもズラッと女性の列が出来ていて、列に並ぶのが嫌で何度も引き返したことがある。もとより男性が入り辛い程、女性客ばかりなのが特徴だ。女性天国。この日はたまたまなのか、中にたくさんの客が見えたわりに並びが無く、名前だけ告げて少しだけ待ってみた。ほどなくして名前が呼ばれ案内される。店は開放的な明るい感じだが、銀座の本店とは比べるまでもなく、ごく普通のレストラン然としていて、”資生堂パーラー”という名前で想起されるような落ち着いた高級感は無い。客も賑やかだし、店員の動線も含めて店全体がガチャガチャしていてちょっと落ち着かない。ボックス形態の席に案内され、メニューが渡される。お手拭きも紙製…。こちら名古屋店にはランチ限定で「プリフィックス・セット」があり、定番の2品を選んで値打ちに食べる事が出来る。選んだのはオムライスとミートクロケット。オムライスは銀座本店で経験済みだが、もう随分と前の話。久々に頂点と言ってもいいオムライスが食べたくなったのと、こちらも有名なミートクロケットを食べてみたかった。
こちらは半分オープン・キッチンのような形だけれど、座った席から手元を見ることは出来ない。見れるようにしたら楽しいのになァ。セットのスープは人参のポタージュ。そして、つけ合わせの福神漬、らっきょう、玉ねぎのピクルスが少量づつ置かれ(みかんは無し)、オムライスとクロケットが運ばれた。セットなのでオムライスはサイズが小さいが、その仕様はあの色と形そのまま。ソースは最初からかけてある。普段定食屋で食べているオムライスとは別物の完璧なフォルム。ケチャップライスは裏側もしっかりと包まれて破綻が無い。揚げパセリが付くのも同じ。スプーンを入れ、中のマッシュルームがたっぷり入ったチキン・ケチャップライスと玉子を同時に口に入れる。大人しい味だが旨い。上からかかっているのはトマトソース。色や味からしてミートクロケットの皿に敷かれたソースと同じものだろう。クロケットはナイフを入れると中に肉がいっぱい。トマトソースをつけて口に運ぶと、カリッとした衣、タネ、そして酸味の効いたソースが一体になる。これは旨いわ。デザートは苺のアイスクリームとムース、それにフルーツ。最後のコーヒーもきっちり旨いのはさすが。店の雰囲気だけ我慢すれば本店には無い値打ちなセットだナ。でも食べている間にもLINEの着信音が何度も響いたり、大勢で声を張り上げておしゃべりっていう雰囲気は勘弁(←定食屋の700円のオムライスの時なら全く問題無い・笑)。(勘定は¥2,500程)
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愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4 JRセントラルタワーズ12F
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