ひと昔前は閑散とした雰囲気が漂っていたが、最近は次々と新しい飲食店が出来て元気があふれるJR岐阜駅の北に位置する玉宮町界隈。そんな界隈の中にある大衆食堂「なかとら食堂」。建物は古くないし、いつ頃創業した店なのかは全然知らないのだけれど、ごく一部では昼呑みの客が多い店として知られているようだ。閉店時間も早いので、もちろん立ち位置としては食堂なんだろうけれど、店に入ってみると、案の上、一杯やってらっしゃる年輩の方達が多い。広々とした店の中にはテーブル席と小上がり席。大きい扉付きの冷蔵庫があり、小鉢はそちらから客が勝手に取ってくるスタイル。給仕の男性にお酒を冷や(常温)でお願いする。こちらの酒は「竹内酒造」(滋賀)の「香の泉」のよう。珍しい。壁に貼られた品書きから「冷奴」と「酢サバ(しめサバ)」を注文した。どれも値付けが安い。
お酒は香の泉の180mlの小瓶で出てくるのだが、若干使い回し感が…(笑)。ガラスの猪口に注ぎ、グイッと。なかなか旨い。冷奴は木綿豆腐でしっかりとした食感。酢サバはしっかりめの食堂らしい締め方。生姜醤油で。テーブル席からのんびりと周りを眺めながらいただいた。若い人が多い玉宮町だが、この店に入ってくるのはそうでない人ばかり(笑)。最初からこんな造りなのかは知らないが、壁にはガラスで区切られたスペースがあり、その中には掛け軸や絵画などが下がっている。果たして名のあるものなのか、そうでないのか(たぶんないナ・笑)。最近新しく出来る居酒屋は個人店のように見えても、どこかのコンサルタントが入ったような、店の意匠から、品揃え、メニュー構成まで、マニュアルを隙無く実行しているような”しっかりとした”会社っぽい店ばかり。無難だし、安いし、悪くないのはむろん承知だけれど、自分にはそんな店よりこういう店の方が面白い。(勘定は¥750)
なかとら食堂
岐阜県岐阜市玉宮町1-5
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