The Bomb Shelter Sessions / Vintage Trouble (2011)
4月に来日公演を行って、熱いステージを繰り広げてくれたヴィンテージ・トラブル(Vintage Trouble)の、2011年に発表されたデビュー・アルバム。もちろん来日前に聴きまくって臨んだ。のっけから溢れんばかりのパワーを見せつける。つかみはOK。その後はグッと腰を落とした渋めのミディアムテンポの曲が数曲、そしてライヴでも客を煽ったシンガロン(Sing-Along)曲、一転してバラード、などとヴァラエティに富んだ内容。デビュー作としては上々以上の出来だと思う。もちろんライヴ演奏を聴いてしまうと、スタジオ録音はどうしても”まとまっちゃった”感はあるのだが、それでもこねくり回さないシンプルな録音で、曲の良さは生きている。ただ、それぞれの曲はいいのにアルバム構成は何となく馴染めなくて、もう一発元気な曲で終わって欲しかったところ。
今のデジタル世代にはこういう音楽ってどう響くんだろう。何かのレヴューで見たのだと思うが、”ギターがリズムに遅れている”だのという指摘があった。リズムがキープ出来ていないと捉えてしまっているのだろうか。ま、そういう人達ってクラシックなロックの「ルーズなノリ」とかって全然理解出来ないんだろうナ。そういうハズレた所にこそ音楽的快感が含まれているんだけれど。彼らの演奏力を否定してしまうと、同じレス・ポールのジミー・ペイジ(Jimmy Page)はもちろん、ジミヘン(Jimi Hendrix)だって遅れてギターが入ってくる最たるものだろうし、ストーンズ(The Rolling Stones)なんて、それこそとても聴けたもんじゃない(笑)。
来日後はパッタリと情報が入ってこなくなり寂しいが、何とか近いうちにアルバム発売、あるいは再来日公演を期待したいところ。今の勢いがあるうちにフル・ライヴアルバムを出すっていうのはどうだろう。このファーストとセカンドでレコード会社を変わっているから演奏曲の権利などがあって難しいかもしれないが…。
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- CD (2011/8/2)
- Disc : 1
- Format: CD, Import
- Label : Imports