The Best of Candy Dulfer : Candy Funky Selection / Candy Dulfer (1998)
オランダ生まれのサクソフォニスト、キャンディー・ダルファー(Candy Dulfer)の日本編集のベスト盤。彼女の曲を初めて聞いたのは93年のヒット曲「Sax-a-Go-Go」だったと思う。何で耳に留まったかは忘れてしまったが、当時、ブロンドの可愛い娘ちゃんサックス・プレイヤーとしてかなり注目を浴びたんじゃなかったかな。おまけにマドンナ(Madonna)の前座や、プリンス(Prince)との共演も話題になった。元々親父がサックス・プレイヤーなので(”Dulfer”と名乗っていたはず)その素養はあったのかもしれないが、「美人」+「お洒落なジャズ(イメージとして)」だもの、プロダクションが放ってはおかないわな。当時のプロモなんかを見ると、90年代初めの、あの時代らしいお洒落な感じに作られていて、ヒップホップ風味を足した感じは、いかにもっていう時代の雰囲気。当時そんなPVを見たのか、ラジオで聴いたのか、音楽雑誌で見たのかは忘れてしまったが、しっかりと印象には残っていた。なぜか、結婚前だった嫁と一緒だった時にBGMで流れていた店も思い出した(笑)。
この記事を書くにあたって軽く調べてみると、なんとキャリア最初期にして、関わっているのはマドンナやプリンスのみならず、ユーリズミクス(Eurythmics)のデイヴ・スチュアート(Dave Stewart)、ピンク・フロイド(Pink Floyd)、ヴァン・モリソン(Van Morrison)など結構凄い面々との共演。この面子を見たら”ただ可愛いだけ”でない事は間違いないだろう。今だ現役の彼女なので、発表年からいくと、このベスト盤は初期の4枚に限ったベストといえる。ドラムの音の処理や、ヒップホップの導入など、やはりプリンスとかぶるところが多く、今にもプリンスのヴォーカルが入ってきそうな感じだ。なかなかイイ。良くも悪くも80年代っぽさが残っていて、あの時代の音を聴いている世代にはグッとくるところがある。一時期80年代のシンセ主体のチープな音像はどの世代の誰からも酷評されたが、最近はそうでもなくて、1周回って新鮮という雰囲気に変わってきている(気がする)。あの頃の音楽で育った世代が今、自分も含めて社会の中心の世代なので、ちょっと自分の心に素直になって(笑)、再評価されているのかもしれない。
こういう音楽は一歩間違えると、甘ったるい商業フュージョン(何某Gとか)に陥ってもおかしくないような気がするが、踏みとどまっているのは先達に通じるようなファンキーな曲調と、明るいヒップホップ風味のせいだろう。
ブックオフにて購入(¥108)
- CD (1998/6/3)
- Disc : 1
- Label : RCAアリオラジャパン