Tommy (Deluxe Edition) / The Who (2004)
初めて聴いたのは高校生の頃。すでに名盤として扱われていたこのレコード(2枚組)を、なけなしの小遣いで購入(当時2枚組は¥4,000以上したはず)。もちろん地元の田舎レコード屋に日本で不遇のザ・フー(The Who)が置いてある筈もなく、店に座り込んでバックカタログを隅から隅まで見させてもらい、注文して取り寄せてもらっていた。今ほど音楽媒体が豊富でない頃だから、むさぼるように何度も何度も聴き、それこそ滲み付く位に聴いたアルバムのひとつ。隅から隅まで(音楽を)そらんじることの出来るアルバムだ。当時からアルバムの内容(ストーリーのあるコンセプト・アルバム)は難解で、理解の一助になるかもとレンタル・ビデオで借りた映画「トミー」はやたらサイケデリックな造りで、余計によく分からなくなる有様。舞台作品などにもなった今でも、このアルバムでピート(Pete Townshend)が表現したかったのは何だったのかはよく分かっていないが、純粋に音楽としてはどこを切り取ったとしても好きなアルバム。
1996年のリマスター盤は購入したが、デラックス・エディションが出ても、作品としては完結しているものなので、アウトテイクやなんかもあまりそそられす、購入していなかったが、SACD(Super Audio CD)とのハイブリッド盤だったことを思い出し、うちの廉価SACDプレーヤーでも印象変わるかしらん、と買ってみた。今までに多くはないSACDを所有しているが、一度リマスターされたもののSACD化が多く、あまり劇的な変化は感じにくいものばかり。もとよりうちの(上位機種でない)SACDプレーヤーと寝室に置いたスピーカー(デカい方は倉庫に仕舞ったまま)では威力を発揮出来ていないだろうことは自明。そこで、プレーヤーから直接、うちで一番ハイエンドなカナル型イヤホン(5万円台)を繋いで聴いてみた。
アコースティック楽器が多用してあるアルバムなので、弦の鳴りや、響き、ラッパの音圧、ドラムスの余韻など、粒が際立った素晴らしい音。艶々だ。ジョン(John Entwistle)のベースとキース(Keith Moon)のドラムスが近いっ。元々左右にきっちり分かれた感じのミキシングだったが、左右から音の塊が向かってくる感じ。さすがに情報量が多いなァ。棚にしまってあるアナログとは聞き比べていないが、これを聴くと96年リマスターがちょっと人工的に聞こえてしまうかも(普段は比べないからいいけれど)。2枚目のデモやアウトテイクは正直言ってSACDで聴く意味はないかな。でもやっぱりイヤホンでは限界がある。これをハイエンドなオーディオで、イヤホン無しで聴いたらすごいことになるんだろうナ。それに加えて現在は「ハイレゾ」なんていう新メディアも出てきてしまっている…。若い頃はいっぱしオーディオにハマって色々揃えたりしたけれど、そんな悠長に時間を取って音楽を聴くことが無くなってしまった(すぐ寝ちゃうしなー・苦笑)。
オークションにて購入(¥1,275)
- CD (2004/3/31)
- Disc : 1
- Format: Hybrid SACD, SACD
- Label : ユニバーサル インターナショナル