中津川での昼食はかつ丼で有名なココ「平林」で。というより、今回中津川まで遠路はるばるやってきたのはここのカツ丼を食べる為なのだ。一般的なカツ煮玉子とじタイプのオーソドックスなカツ丼と違い、様々なカツ丼が混在する岐阜県内。特に東濃地方は町ごとに他の地方には無い特色あるかつ丼があり、以前から勝手に”カツ丼亜種”と名付けて食べ歩いている。中津川市は一応「しょうゆカツ丼」が名物とされているのだが、これは昨今流行りのご当地名物として近年作られたもので歴史がある訳ではない。
ここ「平林」の創業がいつで、どういう経緯でオリジナルなかつ丼を提供するに至ったのかは分からない(少なくとも2代続いているようです)。以前にもこの店に寄ったことがあるのだがその際は店が開いていなかった。またそんなことがあっては大変と、前の日に電話をかけて確かめておく。すると店の方が「ちゃんと開いているのは12時過ぎです。」とのお返事。ちょっと店が開くのが遅いようだ。以前こちらに来た時に閉まっていたのは早く来すぎたのかも。
店は商店街にあるのだが道路には面しておらず、一般住宅のような外観の建物の奥に入口がある。停まっている車の脇から奥へ行き、控えめに下がっている暖簾の下の入口から中へ。まるで普通の家にお邪魔するような感じだが、中に入るとちゃんと店舗の造りになっていた。テーブル席が4つと小上がり席が2つ。ご夫婦でやっていらっしゃる様子。鉄瓶でお茶が運ばれた。品書きを見ると「かつどん」には”上”もある。奥様に違いは何か訊くと肉の量だとか。じゃ、と普通の「かつどん」を注文した。
しばらくすると「かつどん」が登場。細目の衣をまとったかつにはたっぷりとタレがかかっている。ご飯にもしっかりかかっているのでタレをくぐらせてあるかも。上から2個グリーンピースがのせられている姿もいい。脇には控えめな量の紅生姜。勇んでかつを口に運ぶ。甘辛の少しとろみがついたタレなのだが醤油だれともソースだれとも言えるような複雑な味わい。…これは旨い。これを”カレー味”と称する人も居て、さすがにカレーとは間違えないだろうと思っていたのだが、なるほどカレーと言われても納得してしまうような風味と辛味もある。不思議なタレだなァ、コレ。唯一無二。肉は厚くなく絶妙のひと口サイズでご飯とのバランスも良く、あっという間に平らげた。店までは遠い道のりだが、旨いかつ丼が食べられて大満足。(勘定は¥870)
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※残念ながら令和2年11月30日を以って閉店されました
↓ 中津川駅の駅裏で見つけた幅は狭いが迫力のある橋(詳細不明)◇。残念ながら銘板が無くなっており名称、建造年共に分からず。
とんかつの平林
岐阜県中津川市太田町3-6-36
( 中津川 なかつがわ ひらばやし 平林とんかつ店 とんかつ平林 とんかつの店平林 カツ丼 かつどん 亜種 中山道 宿場町 中津川宿 近代建築 閉店 廃業 )