まだとても寒かった2月のある晩に「バロッサ」へ。マフラーと手袋をマダムに預けて、すんなりとカウンターの主人の前の特等席へ。せっかくバーに来たら主人の所作を見たいもの。まずいただいたのはシンプルにして奥深い「ジントニック」。自宅でも自分で作るのだが、何でこうも違うものか(笑)。グラスや氷を含めて使っているものが違うのはもちろんだが、主人の所作によるほんの微量な調整がこの1杯を”似て非なるもの”にしているのが分かる。至福。主人の言葉が添えられているメニューを今回もじっくりと読んでしまう。これ印刷して欲しいくらい。下手なカクテル教書よりも勉強になる。
座っている場所が、目の前で絶え間なく作られていく数々のカクテルがサーヴされる場所なので、全部片っ端から呑んでみたくなる罪な席だ(笑)。次は季節の果物で作ってもらう。選んだのは岐阜産の甘夏。岐阜で甘夏を作っているって知らなかったのだが、旬がこの時期だというのも初めて知った。甘さ、爽やかさだけでなく甘夏特有の苦味もしっかりと感じられて、旨い。主人曰く岐阜はフルーツ王国と言っていいくらい果物が豊富なのだとか。地元に居てもそんなイメージ無かったなァ。
このあたりで了、と思っていたが、隣の方が注文していた「ストロベリーマティーニ」がいかにも旨そう。普段いちごが家にあっても家族に譲ってそんなに食べもしないのに(オッサンになってから果物にあまり執着しない…)、この時はなぜか無性に味わってみたく、自分もお願いした。これが香りから味から素晴らしいものだった。こういう果物を使った甘さが感じられるカクテルってあまり自分から注文しないが、作る人が作るとこうなるのか。瞠目。後日愛読している漫画「酒のほそ道」を読んでいたらフルーツを使ったカクテルにまつわる自分と全く同じようなエピソードが…(苦笑)。(勘定は¥4,320)
cocktailier BAROSSA (バロッサ)
岐阜県岐阜市金宝町1-12 Port-A 2F
( 岐阜 ぎふ バロッサ バーバロッサ バー オーセンティックバー BAR コクテリエ 中垣繁幸 サントリー ザ・カクテルコンペティション 二番街 )