岐阜市三番町の「のはら湯」(創業明治27年)で汗を流した後、JR岐阜駅に向かい、最近円相グループが出した日本酒が呑める店に向かうも、ランチが終わりかけの時間帯でまだ店が呑む雰囲気でなく、店の外に出ていたメニューを眺めたものの何か違うなァという気になって、同じビルで同グループの洋食屋「マカロニ軒」へ。こちらもまだ出来たばかりの新店。店の前まで行くとすぐ前のウエイティング用のベンチで酒片手に弁当を食べている剛の者(年輩)が…。店の人、そこは注意してもいいでしょ(笑)。店に入ると意外と簡素な内装。そつのない店造りをする会社なので、洋食屋としてもう少し雰囲気のある店なのかなと思っていたので意外(いわゆる”レトロ”っていうのを避けたのかな)。厨房前のカウンター席に案内されたので、腰かけてすぐに生ビールと「マカロニサラダ」を注文した。
喉がカラッカラなので五臓六腑にビールが滲みていく。「マカロニサラダ」はとても安い値付けなのにしっかりとした量があり、ねっとりとしたマヨネーズ和えにパセリが散らしてある。ビールのつまみにちょうど良かった。新しい店はどこもそうだがオーダーを含めてハンディ機器を使ってシステマチックに事が進んでいく。それだけならいいのだが客にはやや慇懃無礼。そして店員同士は「オーダー入りま~すっ!」「ハイヨーッ!」「〇×いただきました~っ!」「ハイヨーッ!」とかまびすしい。まるでどこかのラーメン屋のよう…。しかもカウンター席の頭の上に厨房があるような配置なので余計に…。世間がこういうのを求めているのかもしれないし、これを”明るく元気な接客”と評する浅慮な人も居るのだろうが、何でもかんでも大声を張り上げるのは幼稚過ぎないか。居酒屋じゃないんだから(←オイオイ居酒屋使いしてるじゃないかっ)もう少し落ち着いた大人の接客をして欲しいものだ。
こちらのメニューの特徴は何といっても主に中部地方の老舗洋食屋などに残る絶滅危惧メニューを取り上げているところ。「エスカロップ」「チキンミヤビヤ」「チキンマーブル」など、自分のように老舗食堂を食べ歩いている人間にはグッとくるものばかり(ただ「包み焼きハンバーグ」は銀座の「つばめグリル」か京都の「東洋亭」かな)。若干あざとさも感じるが、なかなかいいところに目を付けたなァと思う。仕掛人は言うまでもなくかなりの切れ者だ。そんなメニューの中から現在4店(名古屋市「勝利亭」、岐阜市「あじろ亭」、武豊町「享楽亭」、津市「中津軒」)に存在している「チキンミヤビヤ」と「角ハイボール」を注文した。ワクワク…。
しばらくして運ばれた「チキンミヤビヤ」は浅い丸皿に入れられオーブンで焼かれているのだろう。具はチキン、玉ねぎ、きのこ、グリーンピース、パセリ、そこに玉子が落とされている。老舗と違ってかなり濃い色のデミソースで煮込み焼かれているのだが、ソースはサラッとしていて少なめ、具材の切りも小さめ。玉ねぎは薄いのだが口に残る食感がある。これは一番外皮に近いところかな…。落とされた玉子は白身も透明なのでほとんど生卵の状態。全体的に具材の量も少なく、見た目からいくとオーブンでの火入れが長いよう。後発なのでもっと料理的な完成度を上げてくるのかなと思いきや…、若い客が興味で試してみてもこの値段で2回目があるかどうかちょっと心配。この材料だったらもう少しヴォリュームを持たせてもコストはさほど上がらないのでは。とは言っても、こういった岐阜市内にも残る絶滅しそうな貴重なメニューが日の目を見たのは快挙。次は「高等ライス」ですかね(笑)。(勘定は¥2,200程)
※同グループの「エリックサウス」開店に伴い閉店されました
↓ 前に建っていた建物が更地になり、”アッパッパ”になってしまった創業明治27年(1894)の銭湯「のはら湯」◇。この日はスチーム湯が壊れていたのが残念。
岐阜県岐阜市橋本町1-10-1 ACTIVE-G 2F
( 岐阜 ぎふ 岐阜駅 アクティブG ビストロ 洋食屋 洋食 円相フードサービス 円相グループ イナダシュンスケ 老舗洋食 ミヤベヤ マイヤベーヤ 閉店 )