名古屋で昔からの居酒屋というと外す訳にはいかない黄金陸橋近くの「黄金屋」。創業は昭和28年(1953)だとか。名古屋駅から遠くないものの、近鉄沿線なので今まで立ち寄ったことが無かった。正直自分にとってはアクセスしづらい立地だが(←近鉄に乗ればいいだけ)、この日はわざわざ市バスに乗って近くまで行き、歩いて陸橋を渡って店へ向かった。線路沿いといっても周囲は住宅ばかりで、駅前といっても大して店はないような場所。店の壁面にはドーンと「CBCテレビ・名古屋テレビ・紹介の店」と大書きされている。東海テレビと中京テレビは来なかったに違いない(笑)。店に入るとコの字カウンターと小上がり席がある。店内の土間は広いので窮屈な感じは全くない。小上がりにはもう先客が座っており、次から次へと客が入ってくる。2階もあるようで多人数のグループが入っていく。こんな場所でもすごい人気だ。
まずは瓶ビール「キリンラガー」で、暑い中ここまでの道のりで汗をかいた体を癒す。「串カツ(みそ)」「とんやき」をお願いした。すぐにバットに入ったキャベツとソースが用意される。女将さんがその場で衣を付けた「串カツ」は細目で、どて煮の鍋にドボンと浸けて供される。やや甘めの味噌で熱々を口に放り込んだ。…ウメー。油をビールで洗い流し、次は「とんやき」。クニュっとした独特の歯応えが旨い。酷暑の中歩いてきたのと、熱中症を避けるために日中水分を採っていたためか、お腹が膨れてあまりビールが入っていかない。そこで酒をひやでお願いする。銘柄は願ったり叶ったりの「菊正宗・上撰」。最初女将かなと思っていた化粧と風格がばっちりな(笑)給仕の女性がコップにこぼして注いでくれた。黒板に「馬刺し」とあったのでお願いすると、主人が「今日はユッケだけどいい?」と訊いてきた。「もちろん。」ということで用意された「馬刺し」は刻まれてタレと黄身にまぶされ、胡麻とネギが振られている。甘いタレと共に口に含んでキクマサをグイッと。添えてあるキムチは要らないかな。他にも食べたいものは沢山あったが今日はこの辺りで。次はしっかりお腹を空かせて来るゾ。さ、歩いて銭湯行こうっと。(勘定は¥2,400程)
↓ 「黄金屋」から北上し大門まで2km程を歩いて行く。体にまとわりつく汗を流そうと「寿湯」(建築詳細不明◇)へ。東海地方ではペンキ絵は少なくモザイクタイル画が多いが、こちらのモザイクタイルの山脈も見事。広くて気持ちの良い銭湯だ。洗い場の真ん中にタイル浴槽があるのも東海地方らしい特徴かも。気持ちの良い風呂だったが脱衣所の貼紙を見てあ然。この8月30日を以って営業は終了との知らせが…。遅かったと言うべきか、間に合ったと言うべきか…。
↓ ひとっ風呂浴びて外に出るとこんな景色。このアーチ型の入口の風情ある建物は残るだろうか…。もっと何度も入っておくんだったなァ…。
↓ かつて「中村遊郭」だった大門(おおもん)にはこんな路地がまだ健在。
名代 黄金屋
愛知県名古屋市中村区長戸井町4-77
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