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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Rising Sons featuring Taj Mahal & Ry Cooder / Rising Sons

2019年03月24日 | ブルーズ

Rising Sons featuring Taj Mahal and Ry Cooder / Rising Sons (1992)

若き日のタジ・マハール(Taj Mahal)とライ・クーダー(Ry Cooder)によるバンド、ライジング・サンズ(Rising Sons)の音源をまとめた作品。シングル発表曲を除いて92年までお蔵入りしていたこれらの音源は、92年に3曲(18、19、20)ほどタジによって改めて歌入れされ発売されたもの。録音は1965~66年というから、ビートルズ(The Beatles)を始めとするブリティッシュ・インヴェイジョンの熱気も冷めやらず、まだ世界を席巻していた頃。この頃になるとアメリカでも西海岸のヒッピー文化を象徴するサイケデリックなバンドが台頭し始めるが、それもまだ萌芽期と言える。ライ・クーダーはまだ10代だし、タジだってまだ20歳過ぎた頃。そんな若い2人がこんなマニアックなブルーズ曲を独自の解釈でカヴァーしていたりしているのが凄い。しかも当時まだ珍しい白人黒人の混成バンドだ。ロバート・ジョンソン(Robert Johnson)だって1枚目の「The King Of Delta Blues Singers」こそ発売されていたが、世間に知れ渡るのはストーンズ(The Rolling Stones)等のメジャー・バンドがカヴァーし始めた60年代後半になってからのはずだし。

何でこんなにまとまった音源が、しかも後に彼ら2人が有名になってからも発表されなかったのか分からないが、どの曲の完成度も意外なほど高く、ただのカヴァーのみならずしっかり独自でアレンジも施されていたりしてアイデアたっぷり。時代を反映して、ディラン(Bob Dylan)のカヴァーや、ビートルズのサウンドを彷彿とさせるヴォーカル曲も入っているのが楽しい。自分がライ・クーダーを知るようになるのはストーンズとのコラボ(搾取?・笑)の頃(1969年)のアルバム「Let It Bleed」や、サントラ曲「Memo From Turner」からだが(もちろん後追い)、それらで聴ける印象的なライ・クーダーの端正なスライド・ギターの音色をすでにここで聴くことが出来る。レコード会社の販売方針や、バンドとしての方向性が定まらなかったとか言われているが、骨までしゃぶり尽くすレコード業界において、こんな良質な音源が長いこと放置されていたのは不思議。「Corrina Corrina 」など、後に彼らが単身でカヴァーする曲も含まれているのでアレンジの違いなども興味深い。

中古店にて購入(¥500)

  • CD (2008/3/1)
  • Disc : 1
  • Format: CD, インポート
  • Label : Sbme Special Mkts
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かめや食堂 @岐阜県高山市

2019年03月24日 | 岐阜県(飛騨)

以前にコメント欄で教えていただいた記事があまりにも興味深かったので、思い切って高山行きを敢行。岐阜県の美濃地方は濃尾平野にあるので愛知県の尾張地方~名古屋には直結していてほぼ同様の文化圏と言えると思うが、同じ県内でも飛騨地方とは距離的にも文化的にもやや違いがある。他所の土地の人に岐阜のイメージを訊くと大抵”飛騨高山”のイメージが強く「高山へは行ったことがあるが…」という人も多い。自分達にすれば、例えば岐阜市から名古屋へは車で1時間弱(電車なら20分)だが、高山へ行こうとすると車でも電車でも2時間超。なかなかに遠出なのだ。自分は因果な仕事の都合上、休日でも事態によっては即帰宅ということがあり得るので片道2時間超の旅程は躊躇してしまう。なので高山へはとんとご無沙汰。小さい頃は年に数回は両親に連れていってもらい「高山まつり」や街並みを楽しんだし、有名な洋食屋「キッチン某」でステーキを食べさせてもらうのが恒例だったが、高校生の時にそこの名物主人にしつこく嫌味を言われてから行かなくなってしまった(苦笑)。

最近の高山は外国人観光客の数が凄まじいと聞く。久しぶりだったので気合を入れて早朝から車を出し、駐車場に車を入れ、自転車を取り出して朝の高山を散策した。朝は食べてこなかったが、いくら激混み観光地(この日も中心部は朝早くから大陸や半島の人、欧米人でごった返し)でもチェーン店以外で朝から開けている食事処は多くなく、少ない選択肢から選んだのは駅にも近い花里町の麺類食堂「かめや食堂」。見かけと違ってさほど古い店ではないらしい(80年代半ばとのこと・未確認)。暖簾をくぐるとまだ主人も客席に座って新聞を読んでいた。ご夫婦でやっていらっしゃる様子。土間にテーブルが4つ程。真ん中のテーブルにはやかんのお茶が用意されていた。壁に並んだ品書きから「朝めし定食・みそ汁つき」を選択。”豚汁”もあったのだが、何となく普通の味噌汁が飲みたくて。

程なくして盆にのって用意された「朝めし定食」は、ご飯、味噌汁、大根とはんぺんの煮物、生卵、味付け海苔、漬物、という旅館で出てきそうなごく普通の朝食。味噌汁はいわゆる田舎味噌(麹味噌)。具材は玉ねぎと豆腐。東海地方在住の身には特に珍しい訳ではないが、他所の土地の普段と違う味噌の味噌汁は何だか美味しいもの。他に取り立てて飛騨を感じさせるものがある訳ではないので、普通に考えたらさすがにちょっと観光地値段かなとは思うが、シンプルな朝食を頂いてエネルギー充填完了。昼までの時間、またたくさん自転車を漕いで周った。(勘定は¥750)

 


 

↓ 花岡町の同じ通りに並ぶ「旅館かみなか」(明治30年頃・1897・建造、のち改修)と、「旅館いろは」(建築詳細不明)。「かみなか」は登録有形文化財に指定されている。

 

↓ 高山の町中には時代を感じさせる建物もたくさん店舗として利用されているのであまり目立たない。こちらは「飛騨高山ゲストハウスとまる」(建築詳細不明)。2階に並んだ窓がそれらしい雰囲気。

↓ 鍛冶橋交差点の中華そば屋「鍛冶橋」(建築詳細不明)。もちろん居抜きだろうが、高山ではラーメン屋もこんな凄い近代建築で店を構えている。並んだ窓の形や軒下の装飾がかっこいい。2階正面のラーメンの看板外してくれないかな(笑)。

 

↓ 本町の商店街にある「川久金物店」(建築詳細不明)と、そのすぐ隣に建つ建物(建築詳細不明)。どちらも地味ながらアーケードの上には近代建築の名残が。隣は外壁の縁も窓枠もモザイクタイルでびっしりと装飾してある。こういうのを探すためにアーケード街も道路の反対側から眺めつつ、2往復しないといけない(笑)。

  

 

 


 

食事処 かめや食堂

岐阜県高山市花里町6-28

 

( 高山 たかやま かめや 麺類食堂 大衆食堂 朝食 定食 中華そば ラーメン ランチ 近代建築 国登録有形文化財 )

コメント (2)
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