岐阜県多治見市の土岐川沿いにあるカフェ「NEU!(ノイ!)」へ。自家製酵母を使ったパンとスパイス・カレーを扱っているカフェ。「NEU」とはドイツ語で「New」という意味。なぜ知っていたかというと”Krautrock”と呼ばれる70年代のドイツの実験的なロック・ジャンルの中に同名のバンドが居るからだ。スパイス・カレーとクラウトロックは結びつかないが、感嘆符まで付いているから引用がかなり怪しい。営業開始時間に店の前まで歩いて行くと既に数名の待ちがある。店が開く頃になるとその数も増えていった。人気があるんだなァ。建物は古い喫茶店か何かを改造してあるようで、日本家屋の1階部分が店舗になっている。手作り感溢れる無国籍エスニックな店内。1人だったので窓際の小さなカウンター席に案内された。正面に広小路商店街の道が向こうまで真っ直ぐ見渡せる席(写真下)。交差点のど真ん中に座っている感じで面白い。
卓上のメニューを見るのだが、カレー自体は黒板に書いてある4種類のカレーから選ぶようになっていた。1種類だと「一人っ子カレー」、2種類だと「カレー兄弟」。自分は「カレー兄弟」を選択。4つのうちから慌てて2つ「茄子とオクラのサンドル(南インドカレー)」と「春菊とえのきのダル(豆)カレー」を選んだ。こういうのっていつも注文した後に「やっぱりあっちが良かったかなァ…」と後悔する性質(たち)。注文を終えた頃にはすでに満席になり、待ちの客にも「時間がかかりますけれど…。」と断っていた。みんなよく知っているんだなァ。BGMはスリッツ(The Slits)のようなフリーキーな女性ヴォーカルのバンドの音楽。うん、「NEU!」から命名された事に間違いあるまい。
しばらくして運ばれた「カレー兄弟」は真ん中にターメリックライスがあり、両脇に各カレーが。それにサニーレタス、揚げたさつまいも、カレーの味付けのキャベツが添えてある。綺麗な盛り付けのプレートを崩し、まずはそれぞれを味わってみた。「茄子とオクラ~」はスッキリとした口当たりと爽やかなスパイス感。辛さはさほどでもなく香りがいい。「春菊とえのき~」の方は全く辛くなく、豆の甘さがしっかりと感じられる。春菊とえのきという素材のせいで”鍋の締めでカレー作った”的な感じがする(←スイマセン・笑)。途中で2つのカレーを混ぜたりしてプレートの上をカオスな状態にして楽しんだ。爽やかな食後感なのでどれだけでも食べられる感じだ。並ぶ事がなければ他の種類のカレーも食べてみたいナ。
余談だが自分の後に隣に座った若い男性客は「辛くないのはどれですか?」と訊いていた。店の人も「辛くないのは無いですが…、」と困惑顔(苦笑)。そんな人がこんなスパイスカレーの店を目指してわざわざ来るのがスゴイ。(勘定は¥1,200)
↓ 店のすぐ横にある「Reverie et(旧・多治見輸出陶磁器完成協同組合)」(大正末期~昭和初期・建造◇)を再訪。演劇場、裁判所、税務署などに使われた建物なのだそう。初めて扉を開けて入ってみた。ここに入っているレストランの物だろうが、入口の装飾やペンキ塗りの手作りの造作を含めて、もう少し建物のレトロさをそのまま生かした方がカッコイイのに…。
↓ 同じ建物の裏手に回ると階段スペースだろう丸窓がある。建物周りはかなり荒れた部分も。
岐阜県多治見市昭和町19-1
( 多治見 たじみ ノイ カレー スパイスカレー 南インドカレー パン カフェ CAFE 珈琲 コーヒー エスニック CAN 近代建築 スクラッチタイル )