久しぶりに名古屋の住吉町辺りへ。現在の住所的には栄3丁目だけれど旧町名の”住吉”の方が分かり易いのになァ。夕方にこの界隈を久しぶりに歩くと、行き交う人は携帯電話片手にスーツケースを転がす大陸の人ばかり。その密度たるや日本じゃないみたい。もう”共産主義”って何だったっけ?という感じ。用事の前に軽く腹に入れておこうと「一八本店」の暖簾をくぐってみた。
かつては愛三岐の東海3県はおろか、東京にまで暖簾分けの店があったという名古屋の麺類食堂きっての老舗屋号「一八」。高齢化、後継者のこともあって店舗数を減らしているが、それでもまだいくつもの店が現役。その本店と言えば橘の「一八本店」が思い浮かぶが、もう1軒”本店”を名乗っているのがこちら住吉の「一八本店」。創業は戦前だそうだが橘の本店よりは後発で、どういう経緯かは知らないがあちらの系譜を示す”一八会”の暖簾にはこの店を示す名前が載っていない様子(未確認)。関係があるのか、それとも全く別なのか。まぁ、歴史ある屋号だから色々とあるのかもしれない。
それはさておき、店に入るとテーブルが5つほど並ぶこじんまりとした店内に女将さんが1人。夜にはまだ早い、ちょっと外れた時間だったので先客は無し。壁に掛かったプラスチック製の札の品書きには「志乃田丼」や「木の葉丼」というこの地方ならではの丼物の名前も見える。歩いて店まで来たが、外は少し暑かったので「きしめん」を”ころ”でお願いした。品書きに”ころ”とは載っていないがすんなりと注文が通る。
仕事の着信やメールがあったかなと携帯電話を確認するために取り出していたら、もう「きしころ」が届けられた(笑)。その時間、冗談抜きで約30秒。麺を茹でたり、水で締めたような気配は無かったんだけど…。マジック(笑)。麺の上にはほうれん草、蒲鉾(もちろん赤い縁)、刻み揚げ、それに花かつおという「きしめん」の標準的なラインナップ。少量のつゆは甘さ控えめのすっきりとしたもの。味も色もあまり濃くない。きしめんはやや薄めで幅は標準的なもの。つるんとした食感で悪くない。スルスルっといただいて、冷たい(といってもキンキンに冷えている訳ではない)つゆも少し飲んでご馳走様。次は丼物もいただこうかな。(勘定は¥350)
きしめん 一八本店
愛知県名古屋市中区栄3-19-1
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