前回訪れてとても気に入った一宮の「八百宮酒店」。前は様子見だったけれど、今回は満を持して銭湯で汗を流して喉をカラカラにしてからの訪問。近くの「杉戸浴場」から店へ向かう。昼間と違って屋根から下がっている風情ある明かりに火が灯り、ガラス戸から漏れる電球色がなんともいい雰囲気。店に入ると結構客が入っていて(6人程)、みな思い思いに酒を飲(や)っている。店内には主人が集めただろうランプがいくつもぶら下がっていて、あたたかい色に包まれていた。以前に相席になった常連のお父さんがまたいらっしゃった(笑)。常連客の中には自分で冷蔵庫からキープしてある酒を取り出して勝手にやっている人も。自分は右端のテレビ前の小さなカウンター端に腰を下ろし、まずは何はなくともビール。生ビールの「大ジョッキ」をお願いした。
しっかりと大きいジョッキで届いた生ビール(銘柄知らず)を銭湯で乾いた喉にグイグイッと…、あぁウメー。テレビの下に貼られた手書きの品書きには前回と同様に(まさか手作りではないだろうが)餃子、シュウマイ、ワンタン、ウインナーなどから、「いかいため」「焼きそば」「玉子焼」「塩さば」なんていうちゃんと調理した品まで意外なほど豊富。いわゆる”角打ち”とは思えない充実度で、「ラーメン」まであるのだから凄い。「たいかす」という品があったので主人に訊くと、〇✕鯛の粕漬を焼いたものだとか。食べてみたかったが残念ながら切れていたようなので、お願いしたのは「いわしフライ」。夕方のテレビのニュースをBGMに喉を潤しながら出来上がりを待った。
しばらくして女将さんが届けてくれた「いわしフライ」を見てビックリ。安価(¥280)なつまみなので1~2尾だろうと思っていたら、何としっかりとした大きさの鰯が5尾も盛られている。もちろんしっかり揚げたて。箸でつまんで口に入れると…、う、旨い。サクサクの衣にしっかりとホクホクの身。思わずもう一度値段を確認してしまった(笑)。ジョッキはすぐに空になったので、次は酒をお願いした。ちゃんと小さなヤカンで燗もつけてくれる。銘柄はご当地の「金銀花酒造」。ぬるめでお願いすると主人は瓶底を直に手で触って温度確認。コップに注いでもらったのを口にするとばっちりの具合。あぁ、ここは天国か(笑)。本当は色々頼んでみようと思っていたけれど、ビールと「いわしフライ」でお腹も膨れ、後客も入って来たので今回はこれで腰を上げることにする。主人に勘定をしてもらって外に出ると少し雨が降ってきた。(勘定は¥970)
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↓ 店から歩いて5、6分の距離にある「杉戸浴場」。戦後まもなくから営業を始め、現在は母娘でやっていらっしゃるのだとか。サウナ(+¥100)も使ってしっかりと汗をかいた。気持ちイー。
八百宮酒店
愛知県一宮市大宮5-2-14
( 一宮 いちのみや やおみや やおみや酒店 やおみやさけてん 酒屋 立ち飲み 角打ち 居酒屋 居酒 酒場 むくりやね 起り屋根 卯建 梲 銭湯 公衆浴場 )
>あぁ、ここは天国か(笑)
きっと天国に違いない。
タイムスリップ感がすごいし、メニューも魅力的でお値打ちみたいだし。
あぁ~鰯フライをビールでやりたいです~
銭湯で汗をかいてからの突撃。
相変わらず楽しい生き方を実践してらっしゃる。
ハリーさんさすがです!
>タイムスリップ感
ホント、こういう雰囲気を醸し出す店は酒屋に限らず少なくなってきました。
自分は幼少の頃、酒屋の親戚が立ち呑みをやっていたので、店の土間で
呑んでいる人達を見た記憶があるのですが、こんな感じだったのかな。
でも今、令和ですもんね(笑)。
>メニューも魅力的でお値打ち
店の冷蔵庫の中を見てみると既製品を温めただけの物もあるようです。
家が近かったら毎日でも通って全品試してみたいところ。
でもそうなると財布には優しくても肝臓には優しくなさそう(笑)。
駅から遠いのが難儀ですが、だからこそ混雑したりせずこの空間が保たれて
いるのかもしれません。ゲンゴロウさんも機会があったら是非!
最近はほぼ毎週土曜の朝イチに通ってる八百宮です(苦笑)
私も以前から気になっていた「鯛かす」を今日は常連氏が注文されたので調理場をのぞいてきました。スーパーで二尾パックの品でしょうか。でかい…290円…これ食べたらほかが入らなくなりそう。
時節柄冷やし中華はなくなりラーメンが今日から登場。見たことのない袋生麺が置いてあったのですが一人称が「オレ」の常連おばちゃんが「これはウメ~んだぞ」と宣言して持ち帰りで買い占められまして食べることはできませんでした(泣)
ラーメン・冷やし中華も市販品に一手間加えているので、美味しいですね。それでいてお値打ち値段なので感謝感謝です。
Twitterに書きましたが、お店の歴史もちょっと聞けて台風の中を出かけた甲斐がありました。
>ほぼ毎週土曜の朝イチに通ってる
ハイ、存じ上げております(笑)。羨ましい…。
>調理場をのぞいてきました
す、凄い。中にまで入っていける南田神田さん、さすが常連です! しかしこのサイズで
290円ってすご過ぎますね。手間代入ってませんヨ、これじゃ。
>一人称が「オレ」の常連おばちゃん
時々こういう方いらっしゃいますね(→苦手です・苦笑)。
>市販品に一手間加えている
ここがこの店の凄いところですよねー。自分はもっと行きたいけれど平日はもちろん、
土曜日もまず無理なので祝日ぐらいなんですよね、行けるの。たまたま今日は一宮市内にも
いましたので(←蕎麦屋)行けばよかったけれど残念ながら車でした…。
って強風でしたから車でなくとも行ってないか。
>500m以上同業者がいないと
そんな縛りがあったんですね。にしても学校の真横でよく許可が下りたもんだなー。
貴重な情報をありがとうございます。
>>さすが常連
まだまだですよ。私なんか「午前の部の常連に顔を覚えられた」だけです。ココは常連ちゅうても「午前」と「午後」は入れ替わりますし「夜」の常連はこれまた入り組んでるみたいで(ため息)。まだ修行しなきゃ。
ここは角打ち椅子・テーブルの奥にすぐ調理場と居間とトイレがあるので、奥に引っ込んだ大将とお話しするのは意外にカンタンですよ。
ちょっと前に常連氏が店頭に置いてある袋詰め板コンニャクを「なんか作って」って大将に言ったら見事な「さいころコンニャク醤油炒め鰹節かけ」が出てきて、しかも一袋全部使ってもお値段が200円クラスだったことがあって、以来、大将の料理センスに尊敬してます。
「近隣に既存同業者がいないことが条件」ってのは以前に(ほかの業態でも)聞いたことはあったのですが、行政が民間に配慮してたんですかねぇ?。
基本、祝日は営業することを承知していたので今日は行ってみたんですが、今週金曜の祝日はどうしようか迷っています。金曜土曜の八百宮連チャンかはたまた岐阜・金属団地「ひかり食堂」の金曜特売カツカレー&ノンアルビールか迷うところです(苦笑
>「午前」「午後」「夜」
そりゃ、みんな通っちゃいますよね。
>大将の料理センス
そんな融通のきく手腕をお持ちなんですね。すごいなー。それでそんな値段って…。